信じていたイーソン卿に裏切られた新川シン。


帰る場所をなくした彼は、

高円寺の実家で一晩過ごすことになるが、




寝ている高円寺の懐から扉の鍵を…。

新川シン

ごめんよ…、高円寺くん

高円寺コウジ

うーん…

新川シン

!?

高円寺コウジ

むにゃむにゃ…

新川シン

ふう…

新川シン

やっぱり僕はイーソン卿に認めてもらいたい

新川シン

あの人がいなければ僕は…

新川シン

…鍵はもらうよ、高円寺くん…。また会えたらいいなあ…

新川シン

…じゃあね

高円寺コウジ

すぴー…

あさだよーん

高円寺コウジ

ふわああ…

高円寺コウジ

おはよう、シン

高円寺コウジ

高円寺コウジ

あれ!?いない!

高円寺コウジ

一体どこへ…??

その頃、スルト教本部…

イーソン卿

くそっ…。全て台無しだ…。信者の信頼も扉を開ける術も失った

イーソン卿

一体どうすれば…

新川シン

イーソン卿

イーソン卿

…!?

イーソン卿

シン…。一体何をしに来た。私の目の前に金輪際現れるなと

新川シン

…これ

イーソン卿

???

イーソン卿

一体どういうことだ…

新川シン

あの鍵はダミーだったんです

イーソン卿

なん…だと

新川シン

これが正真正銘、扉の鍵です

イーソン卿

…!?

イーソン卿

お、おお!でかしたぞ!シンよ!私はお前を信じていたぞ

新川シン

イーソン卿

だが、本当にそれで開くのだな?

新川シン

おそらく

イーソン卿

2度目はないぞ

新川シン

わかっています。もし開けられたら、イーソン卿、私を認めてくれますか

イーソン卿

何を言っている。私ははなからお前のことを認めて…

新川シン

任せてください。きっと開けてみせます

新川シン

いきます…

新川シン

新川シン

やっぱり…。開かない…

新川シン

僕はダメなやつだ…

新川シン

!?

イーソン卿

おお!扉が!扉が開くぞ!

新川シン

僕は鍵を開けてないぞ…?

ぎいっ…

イーソン卿

ああ!やった!ついに扉が開かれる

たっ

新川シン

!?

イーソン卿

!?

スルトウ

騒がしいな

新川シン

なんだ…。この名状しがたい禍々しいものは…

スルトウ

どうしても鍵を開けたかったようだな…

イーソン卿

…もしや。あなた様は…!

スルトウ

なんだお前…

イーソン卿

私はスルト教の教祖、イーソンでございます。

あなた様が、…異形の神!

新川シン

異形の神…?

スルトウ

…神だ? お前たちのくだらん価値観に、俺様を勝手に当てはめられちゃ不愉快だな

イーソン卿

ああ…!申し訳ありません…

スルトウ

なぜニンゲンが、この扉を開けようとする? 大抵のニンゲンはこちらの世界で生きることもできるまい。こちら側に用はないはずだが

イーソン卿

我々は、こちら側の世界に絶望しています。ぜひあなた様の強大な力で世界を浄化させていただきたいと…

スルトウ

笑止!ニンゲンごときが、俺様に頼みごとだと…!

イーソン卿

無礼なこととは充分承知しております…。…タダでとは申しません

新川シン

…?

スルトウ

…ほう。私にも何かしらのメリットがあるのかね。答えによっちゃ、考えてやらなくもない

イーソン卿

…にやり

イーソン卿

生贄を捧げます!

新川シン

…?

イーソン卿

ここにいる、新川シン!彼は人類トップクラスの能力者!彼の身を依代にすれば、こちらの世界でも、存分に暴れられるかと…!

新川シン

え…

スルトウ

ほほう。能力者か…。戸隠の一族か…?

イーソン卿

いえ。その昔、戸隠の血は絶えました。

しかし、超能力を持つ遺伝因子は突然変異的に現れるのです。彼は戸隠の血に劣らない能力を持っています

新川シン

イーソン卿…

スルトウ

ははは!そうか!悪くない

新川シン

!?

スルトウ

その契約、乗った!

新川シン

え、ちょっと…

スルトウ

ぐぐぐっ…

新川シン

助け…て…!イーソン卿…っ

イーソン卿

初めからこうするつもりだったんだよ…

新川シン

…え?

イーソン卿

お前はこうなるさだめだったのさ…!

新川シン

どうして…。どう…して……

イーソン卿

さあ!異形の神よ!世界に闇を!混沌を!

スルトウ
イーソン卿

おお…!神よ

スルトウ

久しぶりのこちら側だな…。悪くない

イーソン卿

なんと、神々しいお姿…!さっそくこの汚れた世界を破壊し尽くしてください!

スルトウ

そうだな…。まずは準備運動がてら…

イーソン卿

ぐはっ…!

スルトウ

鮮血ほど目の保養になるものはない

イーソン卿

…ぅう…っ。……な…ぜ

スルトウ

なぜだと?

スルトウ

な ん か む か つ く か ら

イーソン卿

…ぁ……。…………

スルトウ

さて…。少し“遊んで”くるかな

スルトウ

新川シン。お前の身体、大切に使わせてもらう

第15話 扉の向こうからこんにちは。

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