超能力だけでなく、
似た境遇にあった高円寺コウジと新川シン。

プリンを通じて、二人の間に
アルティメットな友情が生まれた!



そしていよいよ扉が開かれる時が…


…くるのか?



第14話スタート!

イーソン卿

…プリン食べ終わったかな?

新川シン

はい!終わりました!
アルティメット☆ごちそうさまでした

高円寺コウジ

アルティメット☆美味しかったです

イーソン卿

その『アルティメット☆ ○○文法』やめない?

イーソン卿

今日が『審判の日』となる。いよいよ我々スルト教の求める真の世界が具現するのだ!

新川シン

やりましたね!イーソン卿

イーソン卿

喜ぶには早いぞ、シン。全てはお前にかかっているのだ。気を引き締めよ

新川シン

すみません…

イーソン卿

さあ、行くぞ。扉のもとへ

新川シン

はい!

高円寺コウジ

高円寺コウジ

うわ…!こんなに信者たちが

高円寺コウジ

俺たちだけじゃなかったのか…

イーソン卿

ついに今日、我々は現世の苦しみから解放される!

イーソン卿

この扉から世界は再スタートをするのです!

イーソン卿

そして、扉の正統継承者である救世主が、ここに!

新川シン

ども

イーソン卿

新川シン!

イーソン卿

そして、シンの控えの高円寺コウジ!

高円寺コウジ

うっす

だれだ?

知らんな

高円寺コウジ

イーソン卿

さあ!シン!鍵を

新川シン

はい!


シンは、震える手でポケットから扉の鍵を、

高円寺コウジ

俺の実家の鍵ね


…もとい、
高円寺の実家の鍵を取り出すと、

鍵穴を見つめた。


信者たちも沈黙し、聖堂から全ての音が消え、

イーソン卿

ぷー(放屁)

高円寺コウジ

イーソン卿

…失敬

…もとい、まあまあの静寂に包まれた。


シンの頬を一筋の汗が伝い、

ぽとりと床で弾けた。

新川シン

…いきます

鍵の先端が、冷たい鍵穴に向けて動き出す。

鍵が鍵穴に吸い込まれる。



ぎりぎりと金属が擦れる音がして、

やがて、その音が止み、鍵が行き場をなくした。


あとは時計回りに捻るだけである。

新川シン

ふう…

短く息を吐いて、

シンが鍵に力を込めた。

新川シン

新川シン

・・・

新川シン

…?

新川シン

あれ?

イーソン卿

…どうした、シン。早く開けなさい

新川シン

いや、それが…

高円寺コウジ

…。シン…

イーソン卿

何をもたもたしている。下手な演出などいらん。さっさと開けなさい

新川シン

…開きません

イーソン卿

はあ?

新川シン

開きません…っ!

イーソン卿

イーソン卿

イーソン卿

…はははは。そうかそうか

新川シン

すみません…。イーソン卿、ぼく、

イーソン卿

うせろ

新川シン

え…

イーソン卿

私の眼前から消え失せろ、役立たずが

新川シン

イーソン卿…

高円寺コウジ

イーソン卿

扉が開かれる、この日のためだけに、お前を養ってきたんだ。それさえ出来ないのなら、お前に用はない。

不快だ!消えろ

新川シン

そんな…

新川シン

高円寺コウジ

あ、シン!どこいくんだよ!?

高円寺コウジ

イーソンの野郎…

イーソン卿

皆さん!心配はご無用です!
初めからあいつには期待などしてはいなかった。

彼こそが、

高円寺コウジ

…!?

イーソン卿

…真の扉の継承者、高円寺コウジだ!

やっぱりあんただと思ってたよ!

よっ!大統領

高円寺コウジ

すごい手のひら返しだな…

イーソン卿

さあ、そこの鍵を捻るだけだ。頼んだぞ、高円寺くん

高円寺コウジ

うっす。任せてくださいよー

イーソン卿

ふむ

高円寺コウジ

んじゃ、いきまーす

・・・・・・

イーソン卿

どうだ?鍵は?

高円寺コウジ

…うんともすんとも

イーソン卿

……なにぃ?

どうなってんだ!

二人とも扉の正統継承者じゃなかったのか!

この無能ども!

高円寺コウジ

また手のひら返った…。手首ねじ切れそう…

イーソン卿

静粛に!諸君!鎮まりたまえ!

イーソン卿

…くそっ!一体どうなっている…

高円寺コウジ

イーソンさん

イーソン卿

なんだ!

高円寺コウジ

…ざまあ

イーソン卿

貴様…っ!…まさかわざと

高円寺コウジ

いやいやそんなことは

イーソン卿

ええい!不愉快だ!お前も目の前から消え失せろ!

高円寺コウジ

言われなくとも帰りますよーだ

高円寺コウジ

…でも

高円寺コウジ

1つだけ。

イーソン卿

…ん?

高円寺コウジ

……あんた、シンのことどう思ってる?

イーソン卿

なんだそれは

高円寺コウジ

いいから答えろよ

イーソン卿

…あいつはただの“手段”だ。扉を開けるための。

目的を完遂できない手段など必要ない。そうと分かっていれば、初めからそんな手段を選んでなどいない。

…無駄だ

高円寺コウジ

そうかい…

高円寺コウジ

…じゃあな

新川シン

高円寺コウジ

おい!シン!やっと見つけた

新川シン

高円寺くん…

高円寺コウジ

どこ行くつもりだよ

新川シン

ほっといてくれよ

高円寺コウジ

そんな訳にはいかない。

僕ら友達だろ

新川シン

…友達

高円寺コウジ

イーソンの野郎、酷いよな。さっさと忘れろ、あんなやつ

新川シン

……うん

高円寺コウジ

行くとこないんだろ?今晩

新川シン

…え、…うん

高円寺コウジ

うち(実家)においでよ。こっからそんなに離れてないし

新川シン

そんな、悪いよ

高円寺コウジ

いいから、いいから。野宿する訳にもいかないだろ?

新川シン

…うん。ありがと

新川シン

僕は役立たずなのかな。誰にも必要とされてないのかな…

高円寺コウジ

高円寺コウジ

…シン、実は、

新川シン

分かってる。君が扉の正統継承者なんだろ?…

高円寺コウジ

…ああ。でもなんで

新川シン

最初に鍵を手にしたあの時、実は鍵を回してみたんだ。

…そしたら開かなかった

高円寺コウジ

ああ、あの時…。

高円寺コウジ

すでに鍵は入れ替わってたんだよなあ…

高円寺コウジ

あのな、シン、実は、

新川シン

慰めはいいよ。僕なんか…。

…あ、ここかい?高円寺くんの家は

高円寺コウジ

あ、うん

高円寺コウジ

あれ?電気点いてないな…。留守かな…

新川シン

鍵が閉まってるのかい?

高円寺コウジ

うん。でも鍵はあるから、ほら

新川シン

???

新川シン

それって扉の鍵じゃ…

高円寺コウジ

シン、黙っててごめん。実は…

新川シン

そうだったのか…

高円寺コウジ

ごめんな…。なんつうか“敵”に言う訳にもいかなかったし…

新川シン

そうだよね。仕方ないよ

高円寺コウジ

新川シン

で、本物の鍵は…

高円寺コウジ

ああ、それなら…

高円寺コウジ

ほらここにあるよ

新川シン

これが…

高円寺コウジ

…なあ、シン

新川シン

なんだい、高円寺くん

高円寺コウジ

マジガチリアル物理研究所へおいでよ

新川シン

高円寺コウジ

本間博士もナミコさんもいい人だし、きっと歓迎してくれるよ

新川シン

…うん

じっちゃん

おう、コウジ。帰ってたのか

高円寺コウジ

あ、じっちゃん、ばっちゃん

ばっちゃん

あら、お友達?

新川シン

シンです。お邪魔してます

じっちゃん

コウジが友達を連れてくるとはなあ。仲良くしてやってくれよ、シンくん

新川シン

…はい

高円寺コウジ

じっちゃん、ばっちゃん。今晩泊めてやってもいいだろ?彼、今日は家に帰れないみたいなんだ

じっちゃん

もちろんだとも!

高円寺コウジ

…ところで、二人ともどこ行ってたの?

ばっちゃん

…それは

じっちゃん

…………ラブホ

高円寺コウジ

聞 き た く な か っ た

新川シン
新川シン
新川シン

…ごめんよ、高円寺くん。僕、やっぱり

第14話 扉御開帳なるか!?(ならない)

facebook twitter
pagetop