ついに本間博士から明かされた扉の全貌!

こういう“設定”というものは、
作者は書きたくて仕方ないものだけど、
だいたいの読者は大して興味のないものだ!!

我慢して読んでくれた方ありがとう!

そして芽生えた高円寺の博士に対する信頼。

自身の過ちを告げようとした刹那、
それを邪魔する騒音が扉の方から…!!

第13話スタート!

高円寺コウジ

何すればあんな音が出るわけ?

波ナミコ

とりあえず急がないと

本間マコト

そうだな。鍵は奴らの手中にあるんだ

高円寺コウジ

あ…。そのことなんですけど、

本間マコト

高円寺くん、それ今聞いた方がいい?

高円寺コウジ

いや、大事なことなんですけど、後からでも支障はないかなー…と

本間マコト

じゃあ悪いけど後回し!扉のとこ行くよっ!

高円寺コウジ

…うっす

本間マコト

おい!イーソン卿!
俺のシマでなにしてる!

イーソン卿

シマ…?

イーソン卿

見ればわかるだろ。扉の引越しだ

高円寺コウジ

扉の引越し?

イーソン卿

岩壁を削って扉を引っぺがすのだ

本間マコト

なんだって…っ!

波ナミコ

…剥がれると思います?

本間マコト

どうだろう…

高円寺コウジ

僕は無理だと思いますけどね…

イーソン卿

イーソン卿

…聞こえてるぞ!

イーソン卿

我々に不可能などない!シン、おまえの力が必要だ

新川シン

はい!

高円寺コウジ

!?

高円寺コウジ

シン…。一体どんな超能力で、扉を剥がすというんだ…

新川シン

くらえ…

新川シン

大容量!業務用シール剥がし液!!

高円寺コウジ

波ナミコ

博士、どこから突っ込めばいいですか?

本間マコト

ライターオイルで代用できるっつーの!とか?

波ナミコ

さすが博士ー、ひとと着眼点が違うー(棒読み)

高円寺コウジ

え!シールってライターオイルで剥がれるんすか!メモメモ…

イーソン卿

頼んだぞ!シン!

新川シン

はい!イーソン卿!見ててください!

高円寺コウジ

あんなので剥がれるわけ、

新川シン

うおおおおお

高円寺コウジ

剥がれた!!

本間マコト

うそやん…

イーソン卿

現代科学の勝利だ!
よくやった、シン

新川シン

…ありがとうございます

本間マコト

あの扉、粘着力的なやつで岩壁に張り付いてたの?それ、建築物としてどうよ?

波ナミコ

釘、ネジ、ビスが泣いている…

イーソン卿

ずらかるぞ!

新川シン

はい!

本間マコト

ちょっ…、待て

イーソン卿

待たない!

本間マコト

まずいことになった…。扉も鍵も奴らの手中に

波ナミコ

どうしましょう、博士!このままじゃ世界が…

高円寺コウジ

あのー、そのことなんですけど

本間マコト

高円寺くん、その話今聞いた方がいい?

高円寺コウジ

多分ベストタイミングだと。

本間マコト

よし!聞こう!

高円寺コウジ

…これ

本間マコト

なにこの古びた鍵

高円寺コウジ

扉の鍵です

波ナミコ

!?

本間マコト

え、どこの扉?第4研究室の?

波ナミコ

博士、察しが悪いですよ。
いくら、“身体は敏感なくせに、心は鈍感な”博士とはいえ…

高円寺コウジ

実は僕、実家の鍵と扉の鍵を差し替えておいたんです

本間マコト

なんだって!

高円寺コウジ

だから奴らが持ってる鍵では扉は開きません

本間マコト

でかした!

波ナミコ

通りで、奴らが持ってる鍵が、やけに近代的なフォルムの、『YKK』とか刻まれててもおかしくない鍵だったわけですね

だって実家の鍵だもの。

本間マコト

しかしいつの間に…

高円寺コウジ

それが、褒められた話じゃないんですけど、ちょっと前から扉のこと知ってて、鍵開いちゃったもんだから、中の部屋を私物化しようと…

本間マコト

あんなことや、こんなことしようとしてたんだな!

波ナミコ

…まあハレンチ

高円寺コウジ

まだしてないです!

波ナミコ

まだ…

波ナミコ

てことはやっぱり扉の継承者は高円寺さんなんですね!

高円寺コウジ

黙っててすみません

本間マコト

いやいや!結果オーライではないか!

波ナミコ

あ!じゃあ、高円寺さんは扉の向こうを見たんですね…

本間マコト

…!?

本間マコト

そうか…。高円寺くん、中は一体…。

いやいや、それは後だ!まずは奴らから扉を取り返さなければ

高円寺コウジ

僕が行きます!

波ナミコ

お、立候補

本間マコト

じゃあ任せたぞ!信頼してるからな!

高円寺コウジ

おうよ!

スルト教本部~

高円寺コウジ

こんちはーー

新川シン

やあ!高円寺くん!

イーソン卿

一体何をしに来た。扉は渡さんぞ

高円寺コウジ

いや、そうじゃないんです。

この前、うちに〜来ないか〜♪って言ってくださったんで、やって参った次第です

イーソン卿

そんな『嫁に〜来ないか〜♪』みたいに節つけて言ってはないけどね。

てか君、17歳の設定だよね?若い子、新沼謙治知らないからね?

イーソン卿

そうだったか。歓迎するぞ

新川シン

何かあったのかい

高円寺コウジ

いやあ、実は本間博士と喧嘩したんですよー。あの人、僕が夕食後の楽しみに取っておいた、

『濃厚すぎてもはや黄色ではない!アルティメット☆プリン』

を、『商品レビュー』なんていうくだらない理由で食べちゃったんですよ!いい年してYouTuberなんか目指してるんですよ!再生回数、1週間で2回ですよ!

イーソン卿

なんだって!あやつ本気山に籠っていると思ったら、そんなことしてたのか…

イーソン卿

なにはともあれ、シンに加えて、君がこちら側につけば、恐れるものはない。

シン、彼を部屋へ案内しなさい

新川シン

はい!イーソン卿!

高円寺コウジ

広いなあ…。さぞ信者たちから搾取しまくってるんだろうなー

新川シン

ちょっと!高円寺くん!イーソン卿はそんなひどいことしないよ!

高円寺コウジ

…ごめん

高円寺コウジ

『世界に混沌を!』とか言ってるやつだぞ…

高円寺コウジ

てか、こんな性格のいい子がなんでスルト教に…

新川シン

僕、力のせいでいじめられてきたんだ…

高円寺コウジ

語り始めた…!

新川シン

高円寺くんだってそうだろ?

高円寺コウジ

うーん…。僕の場合は、いじめる方だったからなあ。

…でも孤独だった。自業自得だったかもしれないけど

新川シン

僕もずっとひとりだった。
家族さえも僕を気味悪がって、

僕を、捨てた

高円寺コウジ

捨てられた…

高円寺コウジ

(……僕も)

新川シン

そんな僕をイーソン卿は救ってくれた。あの人だけが僕を必要としてくれて、僕のことを認めてくれているんだ!

高円寺コウジ

新川シン

高円寺くん、君は僕と同じ力を持っている。君となら友達になれるような気がするんだ!

高円寺コウジ

友達ねえ…

新川シン

ねえ!お願い!僕と友達になってよ!

高円寺コウジ

うーん

高円寺コウジ

シンはいいやつなんだけど、一応敵だからなあ…

新川シン

ほら『濃厚すぎてもはや黄色ではない!アルティメット☆プリン』もあるよ!

濃厚すぎてもはや黄色ではない!アルティメット☆プリン

高円寺コウジ

!?

高円寺コウジ

シン、君は僕の『アルティメット☆フレンド』だよ!!!!

新川シン

やったあ!

イーソン卿

シン、高円寺くん。いよいよだ

高円寺コウジ

え、なんすか

イーソン卿

扉を解放する!

高円寺コウジ

!?

新川シン

…アルティメット☆フレンドの高円寺くんとプリン食べてからじゃだめですか?

イーソン卿

お、おう…。もちろん食べてからでよいぞ

新川シン

やったあ

イーソン卿

アルティメット☆フレンド…?

第13話 高円寺、スルト教入信?の巻

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