おば様、疑問が有るのだけど。
はい何かしら。
聖女、なのよね?堂々と魔界にいていいの?
あらあら、聖女が魔界にいていけない道理はありませんよ。
そういうものかしら。
こういうの……殿中じゃなくて……敵中って奴じゃないかしら。
まぁ、敵中といえば敵中だけれど。
下位の魔族はともかく上位の魔族は自らの役割を良く知っているのでむしろ聖女には手を出さないのです。
役割?
神の加護を受けた聖女と勇者に魔族は敗れる。
私達は神の演出する演劇の演者に過ぎないのです。
それは、デーミックのような公爵級の魔族でも?
私がお役目をごめんする頃には勝てると思いますよ。
ですが今は私が勝ちますね。
貴方の位階はデーミックより低いと思うのに、役割というのはすごいのね。
そういうわけで人と魔の上位者は示し合わせた演劇以外での衝突は避けるのです。
観劇をしている神や民衆には退屈なことですけどね。
私、デーミックとおば様がいなくならないなら退屈な世界でいいわ。
ま、嬉しいことをいってくれますね。
ねぇ、やっぱり次の聖女に。
それはお断りします。