ある日のけやき商職員室にて…
ある日のけやき商職員室にて…
う~ん、どう答えたらいいんだろう…
どうしました、酒井先生?
若林先生!実は、うちのクラスの生徒に「簿記を勉強して何の得があるんだよ!」って言われまして、どう答えたら良いものかと…
そうですか。
酒井先生が担任している1年生は、今どういう意識で学習に取り組めるかによって、将来が大きく変わってくる時期ですから、その疑問に対する答え方は、大変重要ですよ!
そうなんですよね…
とりあえずは、高校卒業後の「進路」に絡んだ話をしたらどうですか?
尾沢先生!
と言いますと?
「リクルートキャリア」が調べた「企業が応募者に求める資格」の第1位が、何と日商簿記検定の2級だそうですよ。※1
それから、簿記検定を取得していることで、入試優遇をしている大学が70以上もあるようです。※2
就職するにしても、進学するにしても、簿記検定を持っていて損することは全くない、という訳ですね。
うちの指定校になっていて、その中でも偏差値の一番高い「銀杏大学」では、日商簿記検定2級所持者は、初年度の授業料が全額免除になります。日商簿記検定を取得した高校生を獲得し、将来の税理士や公認会計士の優秀な卵を手に入れようと、大学も必死になっているという訳ですね。
戸山先生!
でも、それって進路を決める生徒にとって、進路選択の大切な材料になりますよね。
大学に1年間通おうと思えば、100万円はくだらない授業を家庭は負担することになりますからね。検定を持っているだけで、大学の授業料は免除になる上に、企業が求める資格を大学に入学する前に持つことができる。今の生徒は幸せ者だと私は思いますよ。
大学や短大だけでなく、商業系の専門学校でも「単位認定」や「入試優遇」など、簿記検定所持者にさまざまな特典を設けている場所が多いようです。
単位認定ということは、試験を受けずに単位が認定されるということですよね。
私も学生時代、簿記の講義で日商簿記2級の合格証書のコピーを提出したら、テストだけでなく、講義の出席すら免除にしてくれました。「君にこの講義を聴く意味はないからね」と教授に言われましたっけ。
「入試」「学生時代」に話題が集中していますが、「就職後」に役立つのも簿記検定の特徴ですね。
と言いますと?
ハローワークから出されている「求人票」で「事務系」のものを確認すると、必要な免許・資格欄に「パソコンの資格」と共に「簿記検定」と書かれていることが多いことに気づきます。
日本の企業の90%以上が「中小企業」なわけで、東証一部に上場しているような「大企業」に就職できる人はほんの一握りです。
中小企業でも「簿記検定」取得者を欲しがるのは、社会人の一般常識・基礎力として、簿記の知識は必要不可欠だと考えられているからでしょう。
商業高校や商業系大学の生徒・学生が簿記を勉強し検定合格を目指すのは、偏に「将来確実に役立つ資格だから」なんですね。
そういうことです。
酒井先生のクラスの生徒にも、簿記検定に合格することで、将来の選択の幅が広がるということをお話されては如何でしょうか?
分かりました!ありがとうございます!!
…See you next breaktime !
※1 商工会議所ホームページ「簿記検定の活用の仕方」http://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/usage
※2 商工会議所ホームページ「入試で優遇される大学」http://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/usage/university