鈍器
鈍器
なごやかな会議が終わった後、4人は食事をしながらくつろいでいた。
おかしなことが起こったのは、お手洗い、と告げゆうしゃが席を立ってからしばらくしてのことであった。
食堂の奥でちいさな騒がおこり、そこに人だかりができていた。
シャーロットはゆうしゃの姿をそのなかに見つけた。
ゆうしゃさま
もしかして
絡まれてます?
みたいねー
一般人が気軽に
絡んでいいものじゃないです
二人とも
すこしはゆうしゃさまの
心配をしてください
と、いわれましても
もう戻ってきた
みたいですよ
ゆうしゃさま
大丈夫でした?
なにが?
話してただけだよ
いやぁ、家に帰る代金がないから
貸してくれってね
それで
お金を渡して、こちらに
へぇ
よくわかったね
ゆうしゃさま
それは、たかりです
これはこれは
平和的解決で
あたしは、涙が出ますよ
人を疑うことを知らないゆうしゃは、3人から話を聞いても、まだだまされたと思っていないようであった。
そんな些細なトラブルがあった翌朝。
再び食堂の奥の方で人だかりができていた。
カスミは、ウィステリアの向かいに腰を下ろした。
まだほかの二人は起きていないようだ。
おやおや
また、ゆうしゃが
絡まれてるのかな?
違うみたいですよ。
朝、食堂に店員が来たときに
この辺でも有名なごろつきが6名
そこで伸びてたらしいです
6人をとは、
プロの仕業かね
それがまだ
分からないらしく
鈍器のようなもの
らしいです
そこに、シャーロットがやってきた。
顔色は正常値だ。
おはようございます
おはよぉ
朝なのに珍しく機嫌が
いいみたいだな
ゆうしゃさまも
もうすぐ
こちらへ来るはずです
おはよぉ
何か人だかりがあるね
おはようございます
ゆうしゃさま
昨日、絡んでいた人達が
木槌で殴られたみたいですよ
詳しい凶器は
分からないはず
ですけれど
木槌ね
なるほど