――この施設は、箱庭だ。
誰かによって造られた、永遠に繰り返される人形劇のための。
誰がこの世界のマスターなのか、私は知らなかった。
だけれど、全ては誰かの理想のままに書き換えられ、『修正』され、シナリオどおりの筋書きにされてゆく。
私が演じるはずだったものは、代わりの誰かが演じている。
この世界は、閉じた世界。
その最中に生まれてしまった反逆者は、エラーとして、取り除かれなければならない。
――なぜ、私はそんなことを知っているのか?
気づいているのか?
それはわからない。
けれど、私はそれに気づいてしまったからこそ。