まあナミコさん、めちゃ強いし、だいじょぶっしょ

うら若き乙女に『めちゃ強い』はないですよ、高円寺さん。…否定はしないですけど

ナミコさん、なんでそんな強いわけ？

子供の頃からいろいろ習ったんです、格闘技

格闘技…

空手四段、柔道三段、剣道三段、合気道七段、中国拳法、太極拳、ナイフファイティング…

スティーブン・セガールかよ

私か？ 私はただの助手さ

やっぱセガールやんけ！

（元ネタわからない人はググってね！）

そんなことより、なんか気配がしませんか…

ん？ たしかに…

もしかしてまたモンスターが…

そんなあ…。さっきはうまく撒いたのに

さっき？ どうやって撒いたんですか

ぎくっ

扉のことは秘密だからなあ…。扉の向こうに隠れてたら、いつの間にかいなくなってたとか言えない…

お、おれ超能力者っすよっ…！ も、モンスターくらい倒せますよ！

さすが高円寺さん！うちの腑抜け・どM・伊達メガネ博士とは違うわ！

えへへ…

いやああああああ

ちょっと高円寺さん、抱きつかないでください。セクハラで訴えますよ

ごめんなさいっ…！

なに、ブリっこ女子も顔負けの高音ボイス出してるんですか！

だって怖いんだもん…

さっきモンスターなんて、俺の超能力でいちころだって

いや…あの…その……。…あ、あれよ！お腹空いてて力出ないのよ…！カロリー的な問題よ

肝心な時に役に立たないんじゃ、本間博士と一緒じゃない…。

そんなこと言ってる場合じゃ…

⁉︎

⁉︎

…

…

いやあああああああああ

あわわ⁉︎

ナミコちゃんの服が…！

破けて…！

肌が…！

露わに…！！

（ナミコちゃんの絵柄が変わったように見えるのは気のせいです…。気のせいです）

ちょっ、高円寺さんっ…！見ないで…///

これぞ！主人公特権！ラッキーすけべ‼︎

…そんなこと言ってる場合じゃない！

あの状態じゃ、ナミコちゃんはモンスターと戦うことは不可能

お嫁に行けなあああい！

仕方ないから、地方の上級公務員で、持ち家あり、趣味はジャズギター、一人っ子で、不幸なことにご両親は早くに亡くなられてるけど、その代わり姑問題に悩まずに済み、さらにはそこそこ大きな遺産があるようなイケメンに貰われてやるぅうう！

だから理想高くない⁉︎

いやいやそんなことどうでもいいんだ！

俺がやらなきゃ、二人とも食い殺される！

でも、冗談とか抜きで、腹減りすぎて力が…

なにかちょっとでも食べる物さえあれば…

…

そうだ！お土産に買った『糖狂！バナナ』が！

…いやでもあれは、いつもお世話になっている本間博士とナミコさんのために買ってきたお土産…！俺が食べるなんてことがあってはならないっ…！

それは人としての礼儀！守るべきモラル！捨ててはならない道徳心！

ここで二人の了解を得ず『糖狂！バナナ』の包みを破ることは、ずっと俺を信じてここまで育ててくれたじっちゃん、ばっちゃんを裏切ることになる！

包みを乱雑に開け、恩人へのお土産を貪り食うなど、今立ち向かうべき敵であるモンスター以下の存在に自分を貶める所業！

人として！人として、それだけはできない！なんと私は無力でちっぽけな存在なのだろうか。かねてより、私は自分の無力さに嫌気がさしていた。私は物心ついた時から、

いいから！

はやくっ！

バナナを！

食えやあああああ！！

さーーせん！！！

いただきまああああああす！！！

…

なんだ…、この身体の底からみなぎるパワーは…⁉︎

うおおおおおおお！！！

⁉︎

モンスターが一瞬にして蒸発した…？

一体なにが起きたのかしら

はあ…はあ…

大丈夫？高円寺さん？

…どうにか。ナミコさんは…？

大丈夫よ…服以外は

⁉︎

ちょっと隠してくださいよ…///

別よくない？

…よくないですよっ！

だってさ、高円寺さん透視できるし、いつも私のこといやらしい目で透視してるんでしょ？

いや、してないですっ…！僕ピュアボーイなんで、そんなことできないっす…

え。最初のテストで私の下着透視してたじゃない？

あれは、初回だったんで、なめられないようちょっとワルぶってみたんです…。無理してたんですよ…！

あらそう。まあ、あなたに見られても気にしないわ

えっ？

だって私、高円寺さんのこと男として見てないもの

え…

ごめんね

なにこのフラれた感じ…