・・・!

はぁ、はぁ・・・。

こっちにはいない!
くそっ!どこへ行きやがった!!

・・・なんとか撒いたようだ。

・・・。

ああ、気にするなよ。
最初に手伝うと言い出したのはこっちだ。

・・・。

しかし、なんだってこんな荒事を・・・。
お前さん、そんなキャラじゃあないだろう?

・・・。

今は亡き姉の恋人のおとうとと

なかよくせしを かなしと思ふ

!!

そうか・・・。復讐ってやつか。

人といふ人のこころに 一人づつ

囚人がゐて うめくかなしさ

ああ、わかるさ。

どんなに美辞麗句を並べようとも、人は簡単に納得できるようなもんじゃない。

・・・。

ああ、もちろん。

最後まで付き合うぜ!

いたぞ!
こっちだ!!

ちぃっ・・・!気づかれたか!!

ここは任せろ!!あんたは早く仇のもとへ!!!

・・・!

わかれきt

おおっと!その先は無しだ!

今生の別れくらい、あんたの言葉を聞かせてくれや!

・・・!

また・・・。

また一緒に!
おでんを食べよう!!

カラオケも行こう!!
お前の歌。また聞かせてくれよ!!!

だから、だから・・・。

ああ、約束だ!
今度こそお前さんの歌声、聞かせてもらうぜ!!

!!

ああ!

さあ、早く行け!!

・・・。

・・・。
行ったか・・・。

家族にも見捨てられ、ヤケになって暴れまわって、ロクでもない仲間たちとつるんだりもした、それでも俺の心は満たされていなかった。

常に、孤独だった・・・。

あの時、あいつの歌を聞いた時。
俺は。俺の孤独は赦された気がした・・・。

そう。俺は赦されたんだ・・・。

孤独の底から救ってくれた恩人のために死ぬ。

俺には上等すぎるラストシーンだぜ・・・。

さあ!!クズヤローども!!

俺が相手だ!!
死にたいやつからかかって来いやー!!

!・・

必ず・・・。


   必ず生きて、また  

その日、世界を裏で牛耳る組織 ウタィ=ウラウ カルテルは壊滅し、世界はほんの少しだけ平和になった。



人々は平和の礎となった二人の男の事を、知らない。

離別 あるいは、運命に抗うということ。

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