シンデレラは夢を見ていた。

それはまだ、何もかもが幸せだった頃・・・

お父様

お母様

そして私

「オイ・・・き・・・」

裕福ではなかった。それでも幸せだった。

「オイ!お・・き・・・」

けれども、あの時お父様は私たちを見捨てた。

・・・そうだ。私は誓ったじゃないか。

「オイ!起き・・ろ・・!」

父を許さないと・・・

「起きろってつってんだろうがぁ!」

!?!?!?

いたた・・・いったい何が・・・

タンスに机にベッド・・・西洋風と言うよりは和風な感じに仕上がっている部屋。

頭から落ち、不格好な逆立ちの様な恰好のシンデレラ。
どうやらベッドから叩き起こされたらしい。

・・・ここ、どこなの?
それに、私は姉さんにやられて・・・

ペタンと座り込みながら考え込む。全くもって状況が呑み込めない。長女に絶体絶命のところまで追い詰められたとこまで記憶がある。

ま、まずはここが何処なのか調べないと!・・・?

行動に移そうとしたが、何か違和感を感じる。

し、視線を感じる!?

途端に身体が強張る。さっきまで死闘を繰り広げていたのだから仕方がない。とりあえず、ゆっくりと視線を後ろに向けると・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・チラ・・・・・

・・・・あの・・・・・

ニコ♪・・・・・・・・

・・・・・・・・・はは♪

一体いつまで寝ているんだお前は~!!
私の寝る場所がないだろうがぁぁぁ!!

は、はいぃぃぃぃ!

カチッ・・・カチッ・・・

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