猛暑日が続く七月下旬。遊技場に遊びに来た僕は、いつものようにヘラヘラ笑っている先輩の顔を見て驚いた。
先輩は右目に眼帯を着け、白い頬には青黒い痣。全体的に何だかくたびれている感じで、よく見れば腕にも痣と引っかき傷がある。
……女の子にでもやられたのだろうか? 先輩は見た目と金回りがいいから、女の子がよく近寄って来る。しかし、『来る者拒まず、去る者追わず』主義の先輩と付き合うと、大抵の子は嫌になって自分から離れていく。
先輩の横に座ったムコ殿は苦笑いをしている。優しいムコ殿が笑っているということは、先輩の自業自得なのだろう。