人類はもう全滅してしまったのだ。悩んでも仕方がない。私はひとり掃除道具入れで前で雑巾と消毒液を手にうなだれていた。人だと思って助けたのに、人じゃなかった。
少し言い訳をさせて欲しい。三ヶ月前、町に攻め込んできた鳥人を始末した後、私は正直に言って気持ちに余裕がなかった。だから目についた動くものを片っ端から方舟に放り込んでいった。大きさや形など気になるところは少しあったものの、私は夢中だった。町が瘴気で埋め尽くされ、方舟が飛び立つまでの時間は数分しかなかった。だから助けることができても数人が限界。だからってあのメンツを助ける必要はあったのだろうか。でも大切な命だ。私は命を救ったんだ。たとえところ構わずう……をお漏らしをするような人でも命には違いない。
つか正直な感想、なんで町にあんなのがいたんだよと……。ファンタジーから飛び出ないで欲しかった。もっと私が冷静だったなら、生きていたかもしれない町の人を助けられたのに……。いくら後悔しても足りなかった。私は人類にとどめをさしたのだ。私は大罪人だ。