地球の遙か上空を飛ぶ方舟の廊下で、私は落ち込んでいた。隣で落ち込む私を責め立てるのは、この方舟の管理ロボのアンディだ。彼は任務に忠実で私の気持ちとは関係なく、やるべきことを目の前にただ並べていく。まあ何かしているほうが落ち着くので、それはそれでいい。
私はこの方舟の船長を勤めていた。着任して三ヶ月間、アンディから連日、舟の仕組みや点検法などについて教わっていた。
私は船長でもあり、舟の動力源でもある。とある事件から無限のエネルギーを手にした私は舟を毎日休まず動かしていた。だがエネルギーは私のやる気次第で、増えたり減ったりもする。だから常に平常心を心がけなければならない。それはわかっているのだけど……。つい最近まで中学二年生だった私にそれを要求するのは少し酷だと思う。