気が付けば、さっきの狐がいた部屋からはかなり離れていた
気が付けば、さっきの狐がいた部屋からはかなり離れていた
ちょ、ちょっと待って。シズクちゃん!ほ、本当に…どうしたの!?
確かに、ヤバイ会話だとは思うけど…だからって急過ぎでしょ
すいません…ですが、そんな…とても信じられません
あの狐の冗談…とか、じゃないの!?
セレナ様は冗談が大嫌いな方なんです。おそらく嘘ではないでしょう
でも、だからって信じられない…本当に地球を破壊するなんて
私も正直信じたくはありません…でも嘘ではないでしょう。それにアマテラスの力があれば不可能な事ではありませんから
じゃあ、やっぱり…
すいません…セイカさん。私、本当に知らなかったんです。こんな事になるなんて…女神様もおっしゃってませんでしたから
それって…多分こうなるって分かってたからじゃないのかな?
…でもさ、これから何処に行くの?その…アマテラスっていうのが起動したら地球が破壊されちゃうんでしょ
そうなる前に私が何とか…します!とりあえずセイカさんはアマノガワの入り口まで案内します。さ、もうすぐ城の出口です。行きましょう!
そうだ、今はとにかく逃げる事だけを考えよう。
でも、なんでシズクちゃんは…
はーい。そこまでよ
え?
あ、狐
やっぱり、一緒に逃げたわね?シズク。これはりっぱな反逆罪よ。死刑ね、死刑
気が付くと私達の目の前には、あの狐とネコ耳がいた
…セレナ様。そこを退いていただけますか?
うん?何言ってるの?あんたは?言葉の意味を分かって話してる?
勿論です。なのでセレナ様、そこを…
嫌よ。あと見習い風情が私に偉そうな口を聞かないでくれない?むかつくから
…ねぇ、ちょっと、あんたさ
ん?あんた?まさか私の事?
口調こそ穏やかだが狐は凄い形相で私を睨みつけてきた
そうだよ。だって今、私達の目の前にはあんた達しかいないでしょ
おい。お前、たしかセイカとかいったな?
そ、そうだけど。それが何よ?
ありがとう。じゃ、死のうか
名前言っただけで死を願われた!?
どのみちあんたも死刑よ
いけない。セイカさん、こっちです!
逃がさないわよ!シカナ!!!
了解ですにゃ!お前達!!!
ネコ耳が叫ぶと私達の周りを黒服の人間が取り囲んでいた
兵団………シカナ様
ごめんにゃ~シズク。命令にゃんよ
終わりよ。シズク。大丈夫。あんた達が抜けた穴は私の力で十分補える範囲だから安心して死になさい
あれ?なんか…この状況って……
くっ、いけない。セイカさん!私が囮になります。だから逃げて下さい!!!
前にもあったよう…
逃がさないわよ。二人とも死になさ
なっ…
え!?
気が付くと私は空に浮かんでいた
浮いている…まさか…発現したの!?
そ、宙に浮かぶ能力なのかにゃ!?
違うわ……それにしても貴方達はどれだけ時が経っても同じような事を繰り返してるのね
な、何を言って…
シズク…ちゃん。
は、はい
このまま一気にアマノガワまで駆け抜けるわよ
えっ…ぇって、わ、
!?
は?
な、う、嘘。空を走ってる…
ば、馬鹿にゃ…ありえないにゃ。いくら能力があるからって、あんなデタラメ
…私が追うわ。シカナ、足の早い奴を連れてきてちょうだい、数はいらない。精鋭中の精鋭を頼むわ
了解しましたにゃ。では、後ほど
はぁ~なんだか面倒な事になったにゃ~
シカナは頭を掻きながら、そう呟くのであった
月 迷いの森
セ、セイカさん。一体どうしたんですか!?この力は!?
思いだせないんだね?シズクちゃんは
思い出す…?一体なんの事ですか!?セイカさんは一体!?
ま、思い出せないならいいよ。もうすぐアマノガワに着くしね
え?
信じられない…
アマノガワへの入口がある森の中に入って殆ど時間が経っていない
そんな…この森の中は複雑で私達月の住人でさえ…どんなに早く移動しても一刻はかかるのに
まっ、私もとは女神やってたしね。そりゃ凄くても当然でしょ
あのセイカさん?何を言って…
ん?だから女神だって。シズクちゃんも昔、こんな感じで私と一緒に逃げたじゃん
………あの?セイカさん?その…
うん?
大丈夫ですか?まさか、先ほどの衝撃でどこか障害が…
シズクちゃん…私、真剣に話してるよ
余計に怖いです…
そう?…まっ、いいや。さ、もうすぐ出口だよ
え?あ、確かに…アマテラスの入り口が見えますね
そ、さ、行こう。地球に帰ろう
こうして私とセイカさんはアマノガワの入り口に向かった