そう言って、先生が提示したのは1枚の写真。
無論、僕が撮った写真だ。
だから、もっとサービス精神をだな……
出しましたよ。僕なりに
サービスの欠片もないだろが!
そう言って、先生が提示したのは1枚の写真。
無論、僕が撮った写真だ。
なんでアイドル候補生の写真が
こうなるんだよ!
なんかこう、
ガツガツした感じはあるなー、
と思ってたんですけど
ガツガツ超えてるじゃん!
モンスターレベルじゃん!
こんなアイドル崇拝したら、
ただの邪教じゃん!
本当ですよね
同意すんな!
ああもう、本当お前って……
頼むから芸能科の生徒に刺されるなよ?
私はまだ、クビになりたくない
先生って、正直ですよね
好きですよ、そういうところ
その程度のお世辞で
単位が来ると思っているなら
もう一年やりなおすか?
ちっ
お前ってヤツは……
ま、私もお前の推薦人なわけだし?
しかも、私の授業で単位を落とさせようものならクビに繋がる
明日からの補習授業に出れば、単位をやろう
単位がなければ、奨学金はもらえない
……最悪、退学だってありえるんだからな
そんな……
明日から、夏休みなんですけど
な・に・か・言・っ・た・か?
サー・イエッサー
こうして、僕の夏休みは、
補習授業から始まることとなった。
1.始まりの月曜日
三崎竜太。
私立不知火芸能学園高等部写真・報道科2年。
「芸能」と名がつく通り、この学園では芸に通じるものならなんでも学べる学校である。
特に芸能科は、芸能活動がそのまま実績として単位になるため、仕事をしながら勉強もしたいアイドルや、モデル達が通いやすい高校と言われている。
当然だが、学費は高い。都内でもTOPの高さだ。
しかし、代わりに特殊な奨学金制度を実施している。
僕は、ユリ先生の推薦を受けて、この学園に入学した。
あ、ピュータ先輩!!
もー、どこ行ってたんスか?
定例会、始まっちゃいますよ?
ユリ先生からの呼び出しで、
明日からの補習に出ないと退学
ま、まじっスか?!
先輩の『真実を切り取る写真術』、
まだ盗んでないんスけど…
退学前提で話をする上に、
僕との別れは全く惜しんでくれないのか
惜しんでも意味ないッスから!
ひどい後輩を持ったもんだ
それ、本当に思ってます?
どうだろうね
教室等から離れ、廊下をまっすぐ行った先。
誰も来ない、誰も通らない、昔のボイラー室らしき跡。
そこが、『パパラッチ部』の根城だ。
パパラッチ部へようこそ!!
赤城部長!
ピュータ先輩の捕獲、完了しました!
僕は指名手配犯人か何かですか
さーて、夏のドキドキ★張り付きミッションのターゲットを発表するよ♪
はりつきみっしょん?
赤城先輩の思いつき
学園の有名人に夏休み中ひっついて、
ネタを探してくるんだ
おもしろそうっスね!
めんどくさいんだよなー、これが
ピュータ
はい?
お前のターゲットは、こいつだ
不知火芸能学園、
期待の星にして最大の汚点
”最期の少女”こと、
不知火みちるを張り込んでもらう