失意の高円寺が都会の喧騒を後にするも、
逆方向の電車に乗ってしまったことに気付かず、
よだれを垂らして居眠りをしていた頃、
マジガチリアル研究所では
本間博士とナミコちゃんがスマブラに興じていた!
失意の高円寺が都会の喧騒を後にするも、
逆方向の電車に乗ってしまったことに気付かず、
よだれを垂らして居眠りをしていた頃、
マジガチリアル研究所では
本間博士とナミコちゃんがスマブラに興じていた!
うわあああ!!また負けたああああ!
私の33勝4敗です。約束通り来週分の炊事、風呂掃除、ゴミ出し当番は博士にやってもらいます
いやああああ!
でも下僕みたいに、
こき使われるのも悪くはないぃぃ!!
どんだけドMなんですか…
もっと蔑んでー
……ん?もう17時か…
そうですね。どうかされました?
そろそろ日が落ちるな…。
“扉"の点検に行ってくる
…‼︎ 私も行きます。お一人では…
大丈夫だ、ナミコくん。まだ暗くなるまでには時間がある。私も男だぞ、心配いらない
…わかりました。お気をつけて
ああ
らしからぬ神妙な顔を浮かべた本間博士は、
研究所を出て、
建物の裏に鬱蒼と生い茂る森の中へ入っていった。
しばらく森の中を歩くと、突然ひらけた場所に出る。
そこは、地面は乾いていて石ころだらけ。
周囲を木々が、城壁のように囲んでいる。
目線を上げていくと奥に、夕日に照らされた大きな岩壁があった。
岩壁は己の前に立つものを見下すかのように聳え立ち、
重厚で威厳に満ちた存在感は、見た者を脅えさせるに十分だった。
その恐ろしげな岩壁の隅に、
不釣り合いな人工物がひとつ、
ぺたりと張り付いている。
古びた扉だ。
鉄製の装飾さえないシンプルな扉は、
錆びに覆われ、ところどころ風化している。
ドアノブには、扉にも劣らないほど錆びた、
今にも朽ちそうな古い鍵が刺さっている。
鍵は、はじめからそうであったかのように、
鍵穴に癒着し、一体となっていた。
…。今日も異常はない…
誰かがドアノブに触れた形跡もない、か…
10年前、当時の彼女にフラれ、自暴自棄になって山を彷徨っていた時、たまたま見つけたこの扉
鍵は錆びているせいか、回すことも抜くこともできない
当然、鍵が開かないから、扉もびくともしない
だが、その後、何度か見に来てみると、扉を開けた形跡が地面に残っていた
こちら側からは開ける術はないし、開けた形跡もない
となると、考えられるのはひとつ。扉の向こう側から開けられたということ
だがそれはありえない!
なぜならこの扉の向こう側を調べても、空洞どころか、わずかな隙間さえ存在しなかった
岩肌にへばりついているだけの無意味な扉
私はこの扉を調べるため、こんな住みたくもない片田舎に研究所を建てた。そして10年かけて、この地域の地形、生物の分布、伝承、全てを調べ尽くした
そう10年…。その間、新しい彼女もできなかった…!
そんなことはどうでもいいっ……ことはないけど
この地域にのみ生息するモンスターたち!
不自然な重力場と高エネルギー反応!
そして、この地に伝わる超能力者の伝説!
これらから導き出された答え…、それは…!
あ、うんこ踏んだ…
…
もおおお。帰るっ!
ナミコくぅぅぅん!!うんこ踏んじゃったよぉおおっっ…
それから数時間後…
ねえナミコくん。今日もカレーなの?
だって余ってるんですもん
うんこ踏んだ人にカレーって、どーよ
高円寺くん、帰ってきませんね
無視っ…!
まあ帰るときには連絡のひとつくらいくれるんじゃない?
いやでもあの人、貧乏だから携帯とかスマホ、持ってないみたいですよ
まじ?不憫やな…
迷ってなければいいですけど…
迷ったあああああ…!
方向は間違ってないはずなんだけど
森の中に研究所作った本間博士が悪い
スマホもないからGoogle先生に現在地聞くわけにもいかんし…
そもそも持ってたとして、こんだけ山奥じゃ圏外か…
暗いなあ…
指先を発火して明かりにしてるけど、腹が減って火が小さくなってきた…
研究所まで瞬間移動すればいいじゃん
方向と距離をある程度イメージできないと瞬間移動は無理なの!
なにその、道に迷うためのご都合主義…!
うるせえな!メタ発言やめろ!
……
誰だ!
いやだこわい
この辺モンスター出るらしいしな…。こわいの、やーよ
あれ?空がひらけたぞ…⁉︎
もしかして森を抜けたのか…?
夜空が広い…。星が綺麗だ…。さすが田舎
いててて…。頭打った…
……壁?
前見て歩かないからだよ!
今後は気をつけます…って、誰だよっ!さっきから!
…
もーこわいー
はやく帰りたいー
⁉︎
扉だ…
なんでこんなところに…
⁉︎
案の定、道に迷ってしまった高円寺は、
案の定、恐ろしいモンスターと遭遇してしまう!
高円寺はこの危機をどう乗り切るのか!
それより気になるのは、
読者が忘れかけていた頃に突然出てきた
本間博士の敵(?)設定!
古い扉と鍵の謎とは?
本間博士は何を知っているのか⁉︎
なぜ本間博士は当時の彼女に振られてしまったのか⁉︎
これらについてはいつ触れられるか作者もわからない!
もうちょっとだけ我慢して読んでください!