『“超”能力者求ム!』のポスターを見て、
『高橋タカシ脳科学研究所』に乗り込んだ
超能力者・高円寺コウジ。
超能力テスト会場の部屋に集まった3人の自称能力者!
高円寺コウジ。
3流マジシャン・吉本ヨシト。
幼女・佐々木サキ。
『“超”能力者求ム!』のポスターを見て、
『高橋タカシ脳科学研究所』に乗り込んだ
超能力者・高円寺コウジ。
超能力テスト会場の部屋に集まった3人の自称能力者!
高円寺コウジ。
3流マジシャン・吉本ヨシト。
幼女・佐々木サキ。
そして現れた館の主人、脳科学者・高橋タカシ。
彼の狙いとは一体…!!
いよいよ、始まる『3枚のカード』テスト!!
第4話スタート!
さてここに3枚のカードがあります。ポスターに載っていたのは、このカードを模様だけでなく、色味まで正確に捉えた実物大の写真です
見た目には何の変哲もない普通のカードだ…
3枚のカードの表面にはそれぞれ、
○、☆、△の図形が描かれています
確かに
裏面はこんな模様になっています。格子模様とでも言いますか
どのカードも裏模様は一緒のようだな…
…果たしてそうかな?
…どういうことだ?
常人には分かるまい
なんだそれ
まあいい。俺の透視力さえあれば、容易いことだ
この3枚のカードをよく混ぜ、机に裏向きのまま並べます。その状態で皆さんには、裏面だけを見て、表の図形を当ててもらいたい
透視力のテストってことだな
透視…?
さあ早くやろうぜ!
…いいでしょう。では、まずは吉本ヨシトさん
よっしゃー!!きたああ
…それではお願いします
うーーん…。ちょっと待ってねー…
どうでしょう。少し時間がかかっているようですが…
いや!もう少しで……。1つは簡単なんだけど…
…そろそろ時間切れでs
……わかった!!
これが○で、これが☆、そして△!!
…正解です
よっしっ!!
どうしてわかりましたか?
そ、そりゃ…、超能力で
その超能力ってやつの内容を詳しく知りたいんです
それは…、その
…
…カードの裏面は一見同じに見えるけど、それぞれ微妙に違っていて、それで見分けがついたんです…
超能力じゃねえ…!!
…
あなたには裏模様の差異が認識できたということですね?
ま、まあ…そういったところかな…
…合格です。2次試験である精密検査をお願いします
!?
…お、おう。…そうだよな!俺は今世紀最強のサイキックだもん!合格しないわけがない!
なぜだ…。超能力に懐疑的なはずの高橋教授が、やつの子供だましを見抜けないなんて…
では次、あなた…、名前は?
高円寺コウジ
リストにはない名前ですが、いいでしょう
おう。まかせろ
…それではお願いします
…
見えた…
俺から見て右から、☆・○・△だ
…お見事。ではどうしてわかったのか、お教えいただけますか
なんでって、透視だよ
…冗談はいいですから
いや、冗談じゃないから。強く念じれば、目をつぶろうが、障害物があろうが、向こうのイメージが脳に浮かぶんだよ
私をからかっているんですか
はあ?ちげーよ、まじで言ってんだよ
…透視?ふざけるな!そんなもの存在しない!!
なんだと!?
不合格だ!おまえは『マジガチリアル研究所』にでも行ってろ!
そこに住んでんだよ!!
へ?なんで
とにかくおまえはだめだ。…次、佐々木サキさん
はい
くそお…
これで俺の方が『真の能力者』だと証明されたな
うるせえっ…。あいつは見る目がない
さあ佐々木さん、やってみてくれるかな
うん! これがさんかくで、これがまる、これがおほしさま!
!?
速い…
…どうしてわかったのかな?
えっとね。だって書いてあるもん、ここに
佐々木サキは
かわいらしい人差し指を目一杯伸ばして、
カードの裏模様を指し示した!
はあ?裏模様に書いてある…?
何が書いてあるんだ?図形か?何かの印か?
さあ…
合格だ…!
!?
ではお二方、こちらへ
…おい待てよ!こんなの超能力なんかじゃない!
超能力?…君はなにか勘違いしてないか?
なんだと…?
私が求めているのは、“超”能力者。常人にはない能力を持つ者
だから、透視能力とか、人体発火とか、瞬間移動とかそういうのだろ?
笑わせるな!そんなもの非科学的だ!さっさと出ていけ!!
くそお…
言われなくても出ていくわ!!
…
なんで俺だけ不合格なんだ…
ヨシトは無駄に鋭い観察力とマサイ族並みの視力で、裏面の模様の細かい違いを見抜くという、こすい手段で切り抜けただけだ…
だが、あの幼女…
裏面に書いてあるとはどういうことだ…?
なにか彼女だけが認識できる印があったのか…
ちょっとあんた!
あ、さっきの受付の
なんでまだここにいんのよ
いや…その…
帰れい!!
すんません…
あーあ…、帰りづらい…
本間博士になんて言われるか…
おーい!高円寺!
!!
あれ…?ヨシト、おまえ精密検査だったんじゃ?
だめだったよ。今回は不合格だってさ
え
だけど、3枚のカードの謎わかったぞ。高橋教授の狙いも
!?
なんだって!
やつが探していたのは…
“4色型色覚”だ!!
なんだそれ
俺もよくは知らん
説明してあげましょう。
皆さんは、光の3原色をご存知ですよね。
我々人間の目は普通、この3つの光、『赤・青・緑』を感知する3種類の細胞を持っています。
これらの細胞が波長の違う光を捉えることで、我々は色彩を認識しているのです。
4色型色覚とはこの3種類の細胞のほかに、もう1つ、別の色を捉えることができる細胞を持つ目のことをいいます
それ、説明正しいの?
さあ。学術的にはがばがばでしょうね。
たぶん突っ込みどころ満載
だめじゃん
てかおまえだれだよ
通行人A
要するに、常人より認識できる色が多い人ってことね
まあそういうことだろうな
で、博士はその4色型色覚を持つ人間を探していたわけか
ああ。あのカードは一見、1色だけで構成された裏模様に見えたけど、実は4色型色覚の人間だけが捉えられる色で大きく『○、☆、△』が書いてあったってわけ
はあ。なるほどな
で、あの幼女は4色型色覚だったから判別できたみたいだ。精密検査でもお墨付きが出た
おまえは4色型色覚じゃなかったわけだな
うん。でも、ある意味『合格』だって。また来いと
…? てかある意味、合格ってなんだよ
いやさあ、俺、裏面の模様の細かい違いを観察して区別してたわけ
俺には全く違いが分からなかったがな
で、検査してみたら、俺が、顕微鏡でしか判別できないような微妙な差異を、肉眼で認識してたってわかったもんだから、びっくりしたって。もっと俺の目を研究したいと
おまえすげーな
まあ“超”能力ってやつ?
そ、そうだな…
…世の中にはすごいやつがいっぱいいるんだなあ
俺なんて凡人じゃないか…
大人しく帰って、カレーうどん食おう…
ちょっぴり自信を無くし、
とぼとぼと帰路に着く高円寺。
だが、やがて時刻は夕方5時!
今から帰ると、
マジガチリアル研究所に着くころには立派に夜だ!
日の落ちた研究所付近では、
モンスターたちが腹をすかせ、蠢いている…!
だがハートブレイキン・高円寺はそのことに気付いていない!
果たして彼は、無事、マジガチリアル研究所に帰り着くことができるのか…!?
ちなみに彼は律儀な男なので、交通費を少し浮かせて、
その分で本間博士とナミコちゃんへのお土産を買っていた!
貧乏だけど育ちはいいぞ!高円寺!