あっという間に朝になった。

酒場を出ると、まばゆい朝日が私たちを迎える。

竜戦士

次会うときは、もっと強くなってようぜ!

聖騎士

無論! 剣術で後れを取るわけにはいかぬでござる!

魔法士

あのヌイグルミちゃん、次はいっぱい愛でてあげたいなぁ☆ うふふふ

召喚士

私もあの少年には世の中の厳しさを教えてあげたいですね♪ あははは

チャッピー

みんな、何だかすごい殺気で怖いよぉ……

徹夜のためか、呑んだあとのためか……それとも、しばらくの別れのためか、テンションが皆、一様に高い。

リストラ

では、チャッピーのこと、頼みましたぞ!

竜戦士

任せとけ! 勇者も鍛錬は怠るなよ!

聖騎士

拙者の目が黒い内は「休息」という2文字はないでござる

リストラ

いえ、ちゃんと休ませてください

魔法士

レベルが剥離すると「ユニゾン」出来なくなるから、定期連絡は必ずしてね☆

召喚士

了解です

しばらくの別れとはいえ、名残惜しさが急速に押し寄せる。

それを吹っ切るように、私は言った。

リストラ

それでは行きますか!

チャッピー

ご主人様、お別れの前に「なでなで」して~

会社勤めしていた頃、出勤する前には必ずチャッピーの頭を撫でていた。

その頃のことを思い出したのだろう。

リストラ

ああ、いいぞ

なでなで。

チャッピー

えへへ、やったぁ!

魔法士

じー……

リストラ

え……魔法士様もですか?

魔法士

(こくこく)

リストラ

分かりました

なでなで。

魔法士

にぱー☆

召喚士

……

リストラ

ちょ、召喚士さん?

召喚士

(ニコッ)

リストラ

あー、はいはい

なでなで。

召喚士

えへへ☆

聖騎士

せ、拙者は……別に……

リストラ

あーもう! いいですよ

なでなで。

聖騎士

ぜ、全然嬉しくないでござるからなっ!

竜戦士

やっぱりお前はスケコマシだな

リストラ

そんなつもりは全くないんですけどね

なでなで。

竜戦士

よせやい

そう言いながらも、満更でもなさそうな竜戦士であった。

リストラ

それでは今度こそ、行きますぞ!

チャッピー

うん、またね~!

聖騎士

しばしの別れでござるな

魔法士

ばいばい☆

召喚士

ごきげんよう

竜戦士

元気でな!

私・聖騎士殿・召喚士さんの3人は西回りから魔王城へと、チャッピー・竜戦士・魔法士様の3人は東回りから魔王城へと向かうこととなっている。

6人が集結する時、それは魔王打倒の日となるだろう。


今の私の足は震えている。

それは紛れもなく武者震いだった……。

-次回を待てっ!-

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