-街の酒場-

竜戦士

で、パーティーはどう分けるんだ?

話し合いの結果、パーティを2つに分けることが決まった。

もちろん、各々のレベルUPと、先刻襲ってきた刺客への対応策を考えるためである。

チャッピー

あたしはご主人様と一緒がいいな♪

聖騎士

勇者殿がどうしてもと言うなら、同行してやってもいいでござる

魔法士

まさかボクと一緒に行かないなんて、言わないよね☆

召喚士

私は勇者様となら、地の果てまでご一緒する所存です!

リストラ

えーっと……

異世界とは言え、齢50歳にして訪れたモテ期!

嬉しくはあるものの、実際に体験すると戸惑うばかりである。


……いや、この世界の存亡が掛かっている以上、そんなピンク色の悩み自体、許さるべきではないのだろう。

竜戦士

おい、獣娘! お前の発情期はいつだ?

チャッピー

もうすぐです~!

竜戦士

次、魔法士! お前の発情期はいつだ?

魔法士

毎日だよぉ☆ えっへへ♪

竜戦士

よしっ! 獣娘と魔法士は、あたいと一緒のパーティーな!

有無を言わさない気迫で言い放つ竜戦士。

チャッピー

ええー!? どうしてですか!

魔法士

そうだよぉ! せっかくの既成事実のチャンスなのに……って、はっ!?

竜戦士

「万物の支配者」も語るに落ちたな

魔法士

しゅーん

チャッピー

なんでー!? あたしはご主人様と一緒に行くよ!

竜戦士

……

竜戦士のアイコンタクト。

私はとっさに空気を読んだ。

リストラ

チャッピー! お互いが強くなるために、別々に頑張ることが必要なんだ!!!

チャッピー

そうなの? ご主人様がそう言うなら、分かったよ……

リストラ

いい子だ、チャッピー!

聖騎士

仕方ない! 勇者殿の面倒は引き受けるでござるよ! はははっ!

召喚士

至らないこともあるとは思いますが、よろしくお願いしますね、勇者様!

竜戦士

あ、聖騎士!

聖騎士

竜戦士

もし、召喚士が勇者に対して不穏な行動をしたら、遠慮なく斬っちまえよ

聖騎士

承知した!

召喚士

? 不穏な行動って何でしょう?

竜戦士

思い当たらなけりゃ、それでいいぜ

召喚士

ちっ! 竜戦士め、余計なことを……

-数時間後-

チャッピー

くー……すぴー

召喚士

ええ!? 勇者様って既婚者なんですか!?

なぜか私の身の上話になっていた。

リストラ

とはいえ、離婚することは決まってますがね

竜戦士

つーか、離婚を匂わせておいて、わざと隙を作ってたりしてな~

聖騎士

それは人ととして、どうでござろう?

魔法士

ボクは逆に燃えてイイって言うか、後腐れがなくてイイって言うか☆

召喚士

イェーイ! この「ピー」(放送禁止用語)め! えいえいっ!

魔法士

ああん? 酔った勢いで失礼なこと言ってんんじゃねーよ! 照れるじゃねぇか♪

リストラ

あなた方は本当、フリーダムですな

こんな光景も見納めかと思うと、少し寂しい気がした。

そして宴はいつものように、朝まで続くのだった……。

-次回を待てっ!-

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