今日は、圭子の帰りも早く、浩輔はごきげんだった。
それでも夕飯を一緒にできなかったので、圭子は浩輔が宿題をする傍らで、作りおきのピラフと遼が作った野菜スープを食べる。
肩を並べて座る彼らは、まるで兄弟のように映る。
浩輔も遼を慕って、色々と世話を焼いてくれる兄のような存在に、心を許していた。
それは、圭子も同じ。
出会い方こそ良いものではなかったが、一緒にいれば、遼の優しさが身にしみる。
宿題中はテレビをつけないのが決まりごとなので、部屋の中はしんとして、鉛筆が紙の上を走る音が聞こえるだけ。
静かな時間に、やっとほっとできる。