第三話
現場検証
第三話
現場検証
現場検証されているアパート内。
写真を撮られている直也の死体を花園為五郎がじっと見ると唇にある汚れに目が行く。
吐血じゃない…ソース?
いやん!
花園の耳元に息を吹きかける部下の草野浩介。
はは、気持ち悪っ!
ちょっとー草野ちゃん!つまらない事してないで状況説明なさい!
はいはい。被害者は後藤直也、33歳
えー、後藤直也ってあの超有名アートデザイナーの!?うっそー、信じらんなーい!だって私のスポーツバイクのロゴデザインも彼なのよー!?
へえそうなんですね。で、死因は持病の喘息の悪化によるものと思われます
え?喘息って命の危険に関わるモノなの!?そういえばよく小さい頃従兄弟にいたわね。何か酸素ボンベみたいの使ってたわ。あのちょっとサバイバルな感じ、カッコ良くてうらやましかったあー!
(小声で)リアクション大き過ぎて話がすすまねえよ、内股じじい
…ん、今なんつった?
…それで被害者の場合は錠剤を服用していたようです、あいにくストックを切らしていたようで…自己管理の不注意による事故死の線が強いですね
えー、やだー命に関わるものなのに?…ダメねえ、ものぐさは
そしてこちらが第一発見者でお手伝いをしている板垣あずみさんです
どうもです
ごきげんよう
ぐずりながら軽く一礼するあずみ。あずみの涙をハンカチで拭う花園。彼女の手を握りながら
びっくりしたでしょう?ゆっくり落ち着いて話して頂戴ね
…はい
ここ座ってよくて?
どうぞ
座る花園とあずみ。勝手に紅茶を注ぎはじめる花園。
つか、座って良いとは言いましたけど現場証拠なんで勝手に飲まないで下さいよ
あらま!うふふ(しなを作って会釈)。被害者、直也さんについて詳しく聞かせて下さる?
はい、お昼の二時頃までは普段通り
この家の家事全般の仕事をしてました。そ
れから夕飯の買出しとかのお遣いをしに、
一回事務所を出て、さっき夕方5時ごろに
戻ってきたら直ちゃん…
再び泣きじゃくるあずみ。その肩をさする花園。
俺も上司にちゃんづけしてみてえー
コラ!…そうなの。大変だったわねえ。真希子さんてどなた?
私が後藤真希子。直也の妻です
はじめまして。今回担当する花園と申します
主人は…なんでこんな…ことに
落ち着いて下さい奥さん!
ふらつく真希子を制止する際に肩、ではなくおっぱいをわしづかみしてしまう草野。
あ、すんません
あ、いえ
…ちょっと、何て空気作ってくれるのよ。アンタは現場状況あらってらっしゃい。この度はどうも。あらためまして私、南青山警察署第四課警部の花園と申します
どうも
真希子さんもお座りになって。三人でお茶しながら事件をみていきましょうか。(紅茶を指して)あ、すいません、勝手に頂いてます
は、はあ
あ、ごめんなさい!家主さんに席をすすめるだなんて。もー私のおバカさん!!
自分の頭を少女マンガ風にこつく花園。
なんて空気作ってくれるんすか
花園警部、板垣さんのコートから錠剤のビンが!被害者が服用していた喘息の薬で間違いないかと思われます!
なんてこと!
し、知りませんそんなの!!何かの
間違いです!
板垣さん、申し訳ありませんが署までご同行願いますか?
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