さて。事の始まりはこうだ。
俺と水希は、家が隣同士の幼馴染。昔は仲が良かった俺達も、ある時期を境に別々の道を歩き始める。
水希は、男嫌いのスーパードライ・穂苅水希へ。
俺は影でこっそり隠れて水希の様子を窺うヤンキー、唐田龍之介へと変貌する。
すっかり水希との縁がなくなった俺の所に、ある時手紙が投げて寄越された。その中身は、『神の使い』を名乗る者からの不愉快極まりない豚化のお知らせ。
何事も無く放置していた俺は、気が付けばピンチ。為す術もなく体重が増え、豚への道を辿ることになる。
豚化を阻止する為には、俺の幼馴染である穂苅水希に、『べ、別にあんたの為じゃ無いんだからねっ!!』という台詞を言わせなければならないらしい。
…………思い返すと、本当に死にたくなってくる。
ところが、水希は俺に対して特別冷たく当たる所があった。その理由を知った結果、俺は更なる絶望を前に、豚化を目前にしていた。