翌日。
暦はもう三月も中旬。春と言って差し支えない季節だが、雪がまだ舞い散る早朝。
旅支度を整えたライツは、ひっそりした城の裏門へと向かう。門番にはあらかじめ話がされていたため、無言で通してくれた。
軽装タイプの鋼の鎧をまとい、寒冷気候で冷えた鎧が素肌に当たらないよう、厚手のアンダーウェアを着込んでいる。
防御と防寒を兼ねたマントが北風にはためきながら、半身を包み込んでいる。
大型のガントレットに覆われた腕はよく鍛えられており、背負った大型の特注品バスタードソードを存分に振り回すことができた。