魔法使いの二人が魔女を倒したとき、騎士と女勇者は隊長と戦闘していた。
魔法使いの二人が魔女を倒したとき、騎士と女勇者は隊長と戦闘していた。
そこをどいてください!
はっはっは!やはりいい剣だ!
だが通すわけにはいかない!
しぶといですね…。
……道を開けろ!
弱い!
……まだ!
何度やっても同じだ!弱い弱い弱い!
騎士の剣を軽々と弾き、隊長は道を守り続けている。
隙ありです!
むっ!
浅いですね。
はっはっはっ!まさか傷をつけられるとは!
しかしこの程度か?もっと楽しませてはくれないのか。
貴方に構っている暇はありません!早く魔王の元に行かなくては!
ならばオレを倒すことだな!オレさえ倒せず魔王様に勝てると思うな!
……押し通る!
鍔迫り合いに持ち込むも騎士は力負けしている。
その程度で通れると思うな!
ぐっ…。
隊長の蹴りが入り後ろによろめく騎士を女勇者が抱き留める。
騎士!あなたは修業で強くなったかもしれません。でも、相手が悪すぎます。
……私は仲間を守るために剣を振っている!こんなところ寝てはいられない!
あなたは力不足です!怪我をされては困ります!
……なら戦えるようになればいい。
そうつぶやくと騎士は一つの薬を取り出した。
その薬は?
……魔法使いからもらった。肉体強化の薬。これで力不足を補う。
そんな薬危険です!なんでそこまでするんですか!
……仲間を守るためならなんだってする。
そういうと騎士は薬を飲みほした。
薬の効果により騎士の体の筋肉が盛り上がり、体が二倍ほどの大きくなった。
騎士の体がムキムキに!?
……体に違和感はない。
いや絶対あるでしょう!
そこまで姿が変わるとは、どんな魔法を使った。
……薬の効果は短い。短時間で決着をつける。
はっはっはっはっ!面白い!面白いぞ!
どう変わったか実力で見せてみろ!
はあ!
ほう!素早く力強い剣。
まるで別人のようだな。
……まだ足りない。
女勇者!私が注意をひく!隙をついて攻撃を!
命令されるのは癪ですが仕方ありません。
一回で決めますよ!よろしくお願いします、騎士!
……っふ!
確かに剣は変わった!だが当たらなければ意味がない!
……九連撃。
ぐおっ。
騎士の猛攻を受けきれず致命傷を隊長が避けようと身をよじった瞬間を女勇者は見逃さなかった。
そこです!流線衝覇剣!
ぐはっ。
激烈滅砕剣!!
ぐふっ。
神聖才牙剣!!!
ぐああああ!
センスのかけらも感じさせない技名を叫びながら放たれた女勇者の剣をまともに受けた隊長は倒れ伏した。
貴方が弱いんじゃありません、私が強すぎたんです。
……まだあの魔物の息がある。
格好つけて剣をしまう女勇者を無視し、騎士は隊長の元へ歩いた。
はあーはあー。
体や腕を大きく切られ、大きく息をしながら隊長は倒れていた。
まさかこんな珍妙なやつにやられるとはな。
魔王様が気になるがもう動けん。後は死を待つのみだ。
……死は怖くはないのか。
剣を交えてやられたのだ。怖がるものなど何もない。
しかし二人とも見事な剣だった。
生まれ変わりなどがあるとすれば、またやりあいたいものだ。
さて、お喋りはこのくらいでおしまいだ。一思いに終わらせてくれ。
……。
……またいつか戦おう。
……。
こうして騎士と魔王一味の隊長の戦いが静かに終わった。
なんで急いでる時に限って倒れたりするんですか!
……体中に痛みがあって動けない。
戦いを終えたあと、薬の効果が切れた騎士の体は元に戻るも動けなくなってしまっていた。
それ大丈夫なんですか!
……副作用については聞いてる。全身筋肉痛で2日は動けないらしい。
筋肉痛程度ですか…よかった。
……たかが筋肉痛でも動けないことには変わりない。
もう!勇者の後を追わなきゃならないのに!
隊長との戦闘に勝利した騎士と女勇者。勇者が魔王を追っているさなか、剣闘士たちの戦いが始まっていた。