裏切り者の姫がまたも魔王を裏切り、勇者たち一行側に付き、魔王も切り札を出したとき女勇者が現れた。

なんで何度も蒸し返すんですか!

私はなにも知らない。

女勇者

魔王!そこまでです!

遅れてやってきた女勇者は魔王に向かい堂々と言い放つ。

魔王

やっぱり来たね女勇者。待ってたよ。

騎士

騎士、剣闘士、大丈夫か。

剣闘士と騎士の元に女勇者の騎士もやって来身を案じた。

剣闘士

先生。来てくれたんだな。

騎士

……傷は浅い。すぐに動ける。

女勇者の魔法使いはいつものように魔法使いの下へ犬のように駆けて行った。

魔法使い

姐さーん!

魔法使い

うるさいのが来た…。

魔法使い

ちょっと、せっかく助けに来たのにそれはないんじゃないっすか。

魔法使い

はいはい、ありがと。

魔女

騒がしい連中だね。

隊長

だが実力はある。不思議な奴らよ。

勇者

それにしても女勇者、ずいぶん遅かったな。

女勇者

ヒーローは遅れて登場するものです。

当然と言う顔つきで女勇者は語り始める。

女勇者

あなた方のピンチを颯爽と助け、魔王を倒す私。

女勇者

やはり勇者はこうでないと!

勇者

……そうか。

魔王

はははは、女勇者もやっぱり面白い子だね。

魔王

さて、役者も揃ったことだし。最後の戦いを始めようとしようか。

その言葉に女勇者が魔王に向かい剣を構える。

女勇者

魔王!私が相手です!

隊長

そうはいかん!女勇者、先日の決着をつけさせてもらおう!

女勇者の前に隊長が立ちはだかり、魔王への行く手を阻んだ。

魔王

隊長くんよろしくね。

そう言い残すと魔王は奥へ走り出した。

勇者

待て!

勇者様!置いていかないでください!

素早く逃げた魔王に反応した勇者と人より反応の鈍いお姫様は魔王を追いかけて行った。

嫌味みたく言わないでください!

私はなにも知らない。

騎士

……勇者!

隊長

お前はここで残ってもらおう!

騎士

……ぐっ。

女勇者

勇者!すぐに追いつきます!抜け駆けは許しませんよ!

騎士

主様!騎士!

参謀

騎士さん。貴方の相手はこちらです。魔王が用意したとっておきですよ。

ガアアアアアアアアア!

騎士

ふん、まさかこのでかぶつが私のためとはな。すぐに方を付けてやろう。

剣闘士

先生!助太刀するぜ!休んでばっかいられるか!

魔女

さあ、あんたは私が相手だ。

魔法使い

もういい加減諦めてくれないー?

魔女

その舐めた態度を教育してやるって言ってんだ。

魔法使い

ははは!姐さん!あいつあんなこと言ってますよ!

魔法使い

君も最初は同じようなこと言ってたんだけどね。

魔法使い

昔は昔、今は今っすよ。

魔法使い

さて、姐さんにたてつく奴は俺がしめてやるよ。

魔女

あんたかい魔力を持った人間ってのは。

魔法使い

あれ、俺って有名人?

魔女

意外と大したことがなさそうだね。

魔法使い

あ?オバサン消すぞ?

魔女

人間ごときにんなこと言われる筋合いはないね。

魔女

さっさと消えな!

魔女の電撃にぎりぎりで反応しながらも逃げる体制をとる二人。

魔法使い

うおっ!

魔法使い

うわ!

魔女

ははは、無様にやられな。

魔女の攻撃から逃げながら女勇者の魔法使いは話しかけた。

魔法使い

なんすかあれ!モーションなしじゃないですか!どうやって戦うんすか!

魔法使い

いや、君のもじゅーぶんモーションなしだけどね。

魔法使い

でも戦う気があるなら秘策をあげるよ。

魔法使い

お、なんすか。

魔法使い

この薬を飲んで戦うんだよ。

そういいながら魔法使いは一つのビンを取り出した。

魔法使い

なんすかこれ。

魔法使い

それは飲んでみないと。

魔法使い

あの薬じゃないですよね。

魔法使い

大丈夫!

魔法使い

わかりました!飲みます!

ごくりっ!

女勇者の魔法使いは覚悟を決め、黒い薬を飲み干した。

魔法使い

……。

魔法使い

ってなんもないじゃないですか!

魔法使い

魔法使ってみな。たぶん効果が出てるはず。

魔法使い

魔法ですか?わかりました。

魔女

なにさっきからコソコソしてんだ。さっさとやられな!

女勇者の魔法使いは魔女のほうに向きなおると、手を振り上げた。

魔法使い

うおら!

魔女

なっ!

青色の大きな炎が上がり、魔女の歩を止める。

魔法使い

だーいせーこー!

逃げながらなので小さく万歳をしながら魔法使いは言った。

魔法使い

うおー!すげー!なんすかこれ!

魔法使い

それは魔法強化の薬。私オリジナルのやつで魔法の力を引き上げるの。

魔法使い

これであいつを消し炭にしちまえばいいんですね。

魔法使い

うらあ!消してやるよ!

手を振り上げ青色の炎を放つ。

魔女

調子に乗るんじゃないよ!

魔女は泡状の水を放ち、炎をかき消した。

魔法使い

うおおおお!消されたああ!

魔法使い

どうするんすか!姐さん!

魔法使い

君はそのままあいつに打ち続けて。極力隙を作らないように。

魔法使い

わかりました!

魔法使い

うらうらうらあ!

魔女

バカの一つ覚えかい?そんなんきかないって言ってるだろ!

連続で炎を放つが次々にかき消されていく。

魔法使い

いいのー?そんなことして。

魔女

なに!?

突如白い煙が回り囲み視界が悪くなる。

魔女

くそっ!どこに隠れてんだい!

魔法使い

さてと、あたしも反撃しますか。

魔法使い

あー、飲みたくない。

ごくりっ

魔法使い

うげぇ…甘ったる…。

魔法使い

ええと…あいつの場所は…あのあたりかな。

魔女

ちっ、まったく見えないじゃないか。

一寸先まで白くなってしまった空間を歩き回る魔女。

魔法使い

どこにいやがんだ!さっさと出てこいよ!

魔女

でも、向こうも同条件だね。能力を使ってあいつらの場所を割り出せれば。

勇者たちの動向を確認したのと同じ能力を使おうとした魔女を突如大きな炎が襲う。

魔女

なっ!

魔女

くそっ!どこから!

なおも炎は魔女を的確に狙って放たれ続ける。

魔女

なんでワタシの居場所がわかる!

魔法使い

それはねー。

白い空間から魔法使いの声が響く。

魔法使い

魔知の薬のおかげだよー。これもオリジナルだったけど成功してよかった。

魔女

姿を見せな卑怯者!

魔法使い

幻覚使う魔物が言うセリフじゃないんじゃない?

魔法使い

ひとまず今回も実験成功。ありがとうね、ばいばい。

魔女の真後ろに回り込んだ魔法使いはそう言い残すと、大きな炎をほぼゼロ距離で放った。

魔女

あああああああああああああ!

その後、白い空間に魔女の断末魔が響き渡った。

魔法使い

うえーすっぱい…。

魔法使い

姐さん!かっこよかったです!

魔法使い

どーせ煙で見えなかったでしょー。

魔法使い

いえ!肌で感じ取れまし…あれ?

魔法使い

なんか急に眠く…。

魔法使い

副作用だね、無理やり魔法を強化したから疲労もいつもの5倍くらい。魔力があってもそこはあんまり変わらないんだ。

魔法使い

あたしも休憩。疲れたー。

魔女との戦闘に勝利した魔法使いの二人。しかし勇者たち一行と魔王一味の戦いはまだ続くのであった。

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