射原 小知火(ともちん)

きらりん!











小野原 雲母(きらりん)

――ほえ?

小野原 雲母(きらりん)

あ、もう終わったのー?

瓜生 沙弥香(さやりん)

び、びっくりした……。全然返事してくれないからさ

射原 小知火(ともちん)

私たちの声、聞こえてた?

小野原 雲母(きらりん)

あー、うーん……

小野原 雲母(きらりん)

聞こえたような、聞こえなかったような……

瓜生 沙弥香(さやりん)

どうしたの、きらりん。大丈夫?

瓜生 沙弥香(さやりん)

暗くなった瞬間、なにかあったの?

小野原 雲母(きらりん)

ううんー

小野原 雲母(きらりん)

ただ、この暗闇のシチュエーション、次の演劇の場面転換に使えると思ってー。ちょっと考えごとしてたのー

射原 小知火(ともちん)

なんだ、そういうこと……

瓜生 沙弥香(さやりん)

きらりん、集中しだすと周り見えなくなるもんね……

神 萌香

えー、きらりんさん、演劇部なんですかぁ?

瓜生 沙弥香(さやりん)

そう。しかもこうみえて部長なの

神 萌香

えー!? じゃあ先輩より立場上じゃないですかあ!

瓜生 沙弥香(さやりん)

それはどういう意味かなあ。あんまり失礼なこと言ってると、またこめかみぐりぐりの刑するよ~?

神 萌香

ええっ!? そ、それだけはやめてくださいーー!!

小野原 雲母(きらりん)

ねえー、そろそろ再開しないー? きらりんやっぱりもう眠くなってきたー

射原 小知火(ともちん)

きらりんのせいでこうなったんだけど……

射原 小知火(ともちん)

ま、気を取り直してもう一度やろ

瓜生 沙弥香(さやりん)

うん

瓜生 沙弥香(さやりん)

みんないい? 今度はぜったいに大きな声出しちゃダメだよ?

射原 小知火(ともちん)

さやりんがしゃべり出したんでしょ……

瓜生 沙弥香(さやりん)

じゃあみんな、さっきのポジションへ

瓜生 沙弥香(さやりん)

――いった? じゃあ明かり消すよ































神 萌香

はいっ。じゃあ、萌香からいきます!












神 萌香

タッチ。しんとなったから怖いですぅ……

射原 小知火(ともちん)

そうね……わ、私もちょっと











射原 小知火(ともちん)

タッチ

瓜生 沙弥香(さやりん)

うん











瓜生 沙弥香(さやりん)

タッチ

小野原 雲母(きらりん)

あ、うんー。このままむこうの角まで行けばいいのねー

瓜生 沙弥香(さやりん)

そうそう

小野原 雲母(きらりん)

うー、暗くて歩きにくいよー











小野原 雲母(きらりん)

タッチ











神 萌香

はいっ





















射原 小知火(ともちん)

きゃあっ!?

神 萌香

ILLYさ~ん♪

射原 小知火(ともちん)

萌香? な、なによ。いきなり抱きつかないでよ

神 萌香

私、怖くてもう歩けませ~ん♪

射原 小知火(ともちん)

そのわりにうれしそうなのはどうしてよ……。は、離してってば

神 萌香

ILLYさん、いい香りがしますぅ。香水つけてるんですか?

射原 小知火(ともちん)

ミドルがグリーンの……そ、そんなことより、肩をたたくとか、ふつうにタッチすればいいでしょ

神 萌香

これが私のふつうのタッチですぅ

射原 小知火(ともちん)

はぁ……。このままだとさやりんの角に行けないでしょ。離してってば

神 萌香

はぁい

射原 小知火(ともちん)

もう……











射原 小知火(ともちん)

た、タッチ……

瓜生 沙弥香(さやりん)

うん











瓜生 沙弥香(さやりん)

タッチ











小野原 雲母(きらりん)

ふあっ? ちょ、ちょっとさやりん、どこさわってるのよー?

瓜生 沙弥香(さやりん)

ふふふ。この大声を出せない時間を利用して、きらりんの胸のサイズを確かめようとしているのだよ

小野原 雲母(きらりん)

びっくりするからやめてよー。声出ちゃうでしょー?

瓜生 沙弥香(さやりん)

むにむに。あっ、前より大きくなってない?

瓜生 沙弥香(さやりん)

なによきらりん~。ちょっと私にもわけてよ~

小野原 雲母(きらりん)

ムリだからー。いい加減にしてー

射原 小知火(ともちん)

きらりんの角からひそひそ声が聞こえるけど、なにやってるのよ……































三十分後



















瓜生 沙弥香(さやりん)

うーん、なにも起きないね

小野原 雲母(きらりん)

いつまで続けるのー

神 萌香

さすがに抱きつき疲れてきました……

射原 小知火(ともちん)

もう怖いのを通り越して飽きてきちゃった

瓜生 沙弥香(さやりん)

どうしよっかなー。そろそろ打ち止めにしよっかなー。みんなたぶん飽きてきてるだろうし――

瓜生 沙弥香(さやりん)

えい、タッチ。きらりんはどう思う?

小野原 雲母(きらりん)

だからそんなところ触るのやめてよー。あっ……

瓜生 沙弥香(さやりん)

いいよ声出してもぉ。きらりんのあえぎ声を沙弥香様に聞かせるのだぁ。うへへへ

小野原 雲母(きらりん)

さやりんの笑い方、きもちわるいー

小野原 雲母(きらりん)

……ねー、いつまでこれ続けるのー? かいきげんしょう、起きないよー?

瓜生 沙弥香(さやりん)

そうね~。そろそろ潮時かな~

瓜生 沙弥香(さやりん)

じゃあきらりん、むこうの角にいったら明かりつけてよ

小野原 雲母(きらりん)

うん。わかった――









































小野原 雲母(きらりん)

あうっ、な、なにー?

瓜生 沙弥香(さやりん)

いまのは――萌香?

射原 小知火(ともちん)

なんだ……。どうせまた私のことで――

神 萌香

ま……ま……

射原 小知火(ともちん)

ま?

神 萌香

まど……

瓜生 沙弥香(さやりん)

まど?

神 萌香

まど……窓の外に……





















窓の外に、なにかいます……!





































































































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