姫と戦闘を続ける勇者と騎士。彼らは魔法使いの開発した薬で姫を倒そうとしていた。
姫と戦闘を続ける勇者と騎士。彼らは魔法使いの開発した薬で姫を倒そうとしていた。
……っふ!
そのくらいじゃやられませんよ。
姫は騎士の剣を余裕そうに躱していく。
お返しです。
はああ!!
姫の爪の斬撃を騎士は威力は劣るも確実に弾いた。
驚きました。まさかついてこられるなんて。
そこ!
しまった!
騎士の連撃が姫に当たる。
ぐっ。
勇者!今だ!
ああ!
勇者は姫を押し倒すと口の中にビンを突っ込んだ。
んぐっ!
どうだ!
どいてください!
姫は勇者を押しのけて立ち上がるもふらふらとした足取りでいた。
ぐっ…体が。何を飲ませたんですか。
それは魔力を無力化する薬だ。
魔力を無力化!?
まさか、そんな薬が…。
魔法使いが開発したんだ。
ぐうぅぅぅぅ。
頼む!元の姫に戻ってくれ!
あああああああああ!
……。
姫!
ん…勇者様…。
姫!元に戻ったのか!
うぅ…勇者様を倒さなければ…。
……まだ暗示が解けてない。
どうすればいい!
……強いショックを与えればもしかしたら。
殴るか!
勇者!これ飲ませて!
離れた場所から魔法使いがビンを投げる。
おっと。
よし、姫これを飲むんだ。
んぐぅ!?
ゴクン
げほっげほっ!
て、なに飲ませるんですか!
姫!元に戻ったんだな!
勇者様?いったい何を言って…。
というか口の中と喉に草が…ごほっ。
裏切り者だった姫がついに正気に返り、いつもの役立たずに戻った。
誰も裏切ってなんかいません!
て、裏切り?
姫、覚えてないのか?
いえ、なんというか、なにかと戦っていたのは覚えているんですが、いったい何と戦っていたのか。
元に戻ってよかった。
よくわかりませんがありがとうございます。
あはははは、素晴らしい!
魔王!姫は返してもらう!
勇者様!
いやあ、まさか魔力を無効化する薬とはね。
そんなものを作るなんて大したものだよ。
しかし、こちらの戦力が減ってしまったね。
みんな、いったん集合だ。
魔王一味が魔王の元に集まる。
なぜ止める!
予定が変わったからね、もう一つの作戦を使うよ。
あれを使うんですか!
あんなの使わなくても!
最終決戦なんだ。切り札をずっと残しておく必要はないからね。
参謀くん、すぐに用意を。気を付けてね。
はい!
くっそぉ…。
剣闘士!大丈夫か!
ごめんな…全然歯が立たなかった。
剣闘士様!大丈夫ですか!
姫、元に戻ったんだな。よかった。
剣闘士、この薬で治療して。
それさっき姫に飲ませたやつだな。
えっ…。
これは傷薬。中の葉っぱを傷に貼って使うんだよ。
なんでそんな物を飲ませるんですか!
殴ったり蹴られたりするよりましでしょー。
他にも目の覚まし方なんていろいろあるでしょう!
勇者は殴ろうと考えてた。
勇者様!
悪かったよ、また元に戻ったら大変だと思って。
ひとまず、剣闘士はそのまま安全そうなところで待機だ。
わたしはまだ戦える!
あの魔物に滅多打ちにされてたでしょー。
……怪我した状態での戦闘は危険。
お前もだ、騎士。
……!?
お前も姫と戦ってて怪我してるだろ。
……私はまだ戦える。
怪我した状態での戦闘は危険、だろ。
……。
そういうことだ。
ほら、騎士も薬使ってー。
魔法使いは全然平気そうだな。
あたしは基本的に逃げてたからねー。姫があんな状態じゃ薬の使いどころが読めないし。
よくわかりませんが、すみません。
ひとまず、剣闘士と騎士は休んでろ。
魔王がまだ何をしてくるかわからないからな。
なんの音ですか?
なにか来る。
すごい魔力も感じる…。
くそっ、まだなんかとっといてやがったか。
剣闘士と騎士はここで休んでろ。姫、離れるなよ。
なんだあのでかい魔物。
あれはちょっと戦えないかな。
どうだい、勇者たち。ボクのとっておきは。
あんな大きな魔物が今までどこに。
地下で拘束していたんだよ。あれはボクでも制御しきれないからね。
時々、人が潜り込んで何かしていたみたいだけど。
町で噂になっている魔物ってこれのことか。
さて、仕切り直しと行こうじゃないか。
役者も揃う頃だしね。
魔王!そこまでです!
姫を救出し、魔王も切り札を使う。そこに女勇者も追いつき、勇者たち一行と魔王一味の最終決戦が始まろうとしてるのだった。