騎士が向く方向から一人の男が歩いてきた。
なんだか広い場所に出たな。
ここがアジトなのか?
……誰かいる。
騎士が向く方向から一人の男が歩いてきた。
やあ、よく来たね。
誰だ!
魔力を感じるね。
見た感じは人に見えるが。
ボクは魔王と呼ばれる存在、とでも言えばいいかな。
……魔王!
お前が魔王か!
いやあ初めましてだね、勇者たち一行。
君らを待っていたよ。
姫を返してもらおうか!
もちろんもちろん。
でも、ただそれだけじゃ楽しくない。
んだと!
最高のシチュエーションであってこそ最終決戦だからね。
……!
ギィン!
ふむ、この間のとは別人か。よく受けたな。
……このくらいの攻撃はもう慣れた。
うらあ!
ガキンッ!
おお、力強い剣。
なかなか楽しめそうだな。
久しぶりだね。
…どちら様?
山であっただろ!忘れたとは言わせないよ!
忘れたー。
この女!
うわ!
危ないなーもう。
逃げるんじゃないよ!
みんな!
いいシチュエーションだろ?
オレとお前で一対一ってことか。
それもいいね。
でも、まだその時じゃない。
参謀くん。
はい。連れてきています。
勇者。君の相手はこの子だ。
勇者様。
その声と喋り方…姫!?
魔王!姫に何をした!
別になにも。
ただちょっと暗示をかけて魔力を有してもらっただけさ。
魔王!お前!!
勇者様。あなたの相手は私ですよ。
楽しみましょうよ。
ついに魔王と相対した勇者たち一行。
しかし、魔王の策略により姫と勇者の戦いが始まろうとしてるのであった。