魔王のアジトである洞窟にたどり着いた勇者たち一行は、多数の魔物と戦いながら奥に進んでいた。

勇者

っはあ!

剣闘士

ここらは大体片付いたか。

魔法使い

にしても多いねー。

騎士

……今ならこのくらいどうとでもなる。

勇者

修行の成果がしっかり出てるな。

剣闘士

しかし先生たちはなんで一緒に来なかったんだろうな。

勇者

なにか考えあってのことだろ。

女勇者

私たちは少し遅れて合流します。

勇者

まだ準備が整わなかったのか。

女勇者

いえ、これは…。

騎士

まだ情報集めをしたくてな。

騎士

すぐにお前たちに追いつく。

勇者

ああ、オレたちは姫を助けるため先に行く。

魔法使い

姐さーん!

魔法使い

げえ。

魔法使い

なんすかげえって。

魔法使い

あの薬が俺の協力あってこそって言うことをしっかり覚えててほしいんですけどね。

魔法使い

まあ、その角を見れば思い出せると思うよ。今すぐになくしてもいいけど。

魔法使い

ちょ、ちょっと、冗談でもやめてくださいよ。これだけでも少しダサいのに。

魔法使い

いや、そもそも角がある時点であれだと思うけど。

魔法使い

ほんとは姐さんについていきたいんですけど、俺は一応女勇者の者なんで。

魔法使い

でも、すぐに追いついて姐さんを助けてあげますんで!

魔法使い

負けた人が何言ってんだか。

剣闘士

先生!

騎士

……。

騎士

剣闘士と騎士か。

剣闘士

先生に教えてもらった剣術使って姫を助け出して見せるからな!

剣闘士

先生も早く来てくれよ!

騎士

……私も剣術を磨くことができた。

騎士

……これで仲間を守る。

騎士

ふん、お前たちに教えたことは大したことではない。

騎士

だが、油断はするなよ。

剣闘士

おう!

騎士

……はい!

女勇者

勇者、あなたも強くなりました。

勇者

そうか。

女勇者

これで私が教えることはなにもありません。

勇者

なにも教わった記憶はないんだが。

女勇者

今いいセリフの途中なんですから水を差さないでください!

女勇者

これで私が教えることはなにもありません。

勇者

……。

女勇者

師である私にとってあなたは誇りです。

女勇者

今後も剣を怠らず精進してください!

勇者

……。

女勇者

返事!

勇者

…はい。

勇者

結局、女勇者のあれはなんだったんだ。

剣闘士

どうせかっこいいことを言いたかっただけだろ。

騎士

……来る!

魔法使い

また変なのがいっぱい来たねー。

勇者

行くぞ!

騎士

……やはり魔物が強くなってる。

剣闘士

アジトっぽいのもまだ見えないな。

勇者

このペースで魔物が来たらさすがにやばそうだな。

魔法使い

それじゃあそろそろあたしの薬の出番かな。

魔法使いは紫色の薬を出した。

勇者

また変なのじゃないだろうな。

魔法使い

失礼だなー。今回は成功だって言ったはずだよー。

剣闘士

もうそれを使うのか?

魔法使い

一応2つあるからね。試験も兼ねて使っておこうと思って。

魔法使い

あとで勇者にも渡しておくから。

騎士

……来る。

またも多数の魔物が現れる中、魔法使いが薬を構えて前に出た。

魔法使い

では、とくとご覧あれ!

そう言いながら魔法使いは魔物たちに向かって薬を撒いた。

勇者

……。

剣闘士

…なにも変化がないな。

魔法使い

嘘!?

慌てたように薬のビンを確認する魔法使いの動きがピタリと止まる。

騎士

……どうしたの。

魔法使い

違う薬だった。

勇者

ていうことは薬の効果は?

魔法使い

ない。

剣闘士

じゃあ戦うしかねえじゃねえか!

魔法使い

ごめーん。

勇者

謝る暇があったら手伝ってくれ!

多数の魔物と戦闘をしながらも、洞窟を進んで行く勇者たち一行の旅は続くのであった。

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