魔王のアジトである洞窟にたどり着いた勇者たち一行は、多数の魔物と戦いながら奥に進んでいた。
魔王のアジトである洞窟にたどり着いた勇者たち一行は、多数の魔物と戦いながら奥に進んでいた。
っはあ!
ここらは大体片付いたか。
にしても多いねー。
……今ならこのくらいどうとでもなる。
修行の成果がしっかり出てるな。
しかし先生たちはなんで一緒に来なかったんだろうな。
なにか考えあってのことだろ。
私たちは少し遅れて合流します。
まだ準備が整わなかったのか。
いえ、これは…。
まだ情報集めをしたくてな。
すぐにお前たちに追いつく。
ああ、オレたちは姫を助けるため先に行く。
姐さーん!
げえ。
なんすかげえって。
あの薬が俺の協力あってこそって言うことをしっかり覚えててほしいんですけどね。
まあ、その角を見れば思い出せると思うよ。今すぐになくしてもいいけど。
ちょ、ちょっと、冗談でもやめてくださいよ。これだけでも少しダサいのに。
いや、そもそも角がある時点であれだと思うけど。
ほんとは姐さんについていきたいんですけど、俺は一応女勇者の者なんで。
でも、すぐに追いついて姐さんを助けてあげますんで!
負けた人が何言ってんだか。
先生!
……。
剣闘士と騎士か。
先生に教えてもらった剣術使って姫を助け出して見せるからな!
先生も早く来てくれよ!
……私も剣術を磨くことができた。
……これで仲間を守る。
ふん、お前たちに教えたことは大したことではない。
だが、油断はするなよ。
おう!
……はい!
勇者、あなたも強くなりました。
そうか。
これで私が教えることはなにもありません。
なにも教わった記憶はないんだが。
今いいセリフの途中なんですから水を差さないでください!
これで私が教えることはなにもありません。
……。
師である私にとってあなたは誇りです。
今後も剣を怠らず精進してください!
……。
返事!
…はい。
結局、女勇者のあれはなんだったんだ。
どうせかっこいいことを言いたかっただけだろ。
……来る!
また変なのがいっぱい来たねー。
行くぞ!
……やはり魔物が強くなってる。
アジトっぽいのもまだ見えないな。
このペースで魔物が来たらさすがにやばそうだな。
それじゃあそろそろあたしの薬の出番かな。
魔法使いは紫色の薬を出した。
また変なのじゃないだろうな。
失礼だなー。今回は成功だって言ったはずだよー。
もうそれを使うのか?
一応2つあるからね。試験も兼ねて使っておこうと思って。
あとで勇者にも渡しておくから。
……来る。
またも多数の魔物が現れる中、魔法使いが薬を構えて前に出た。
では、とくとご覧あれ!
そう言いながら魔法使いは魔物たちに向かって薬を撒いた。
……。
…なにも変化がないな。
嘘!?
慌てたように薬のビンを確認する魔法使いの動きがピタリと止まる。
……どうしたの。
違う薬だった。
ていうことは薬の効果は?
ない。
じゃあ戦うしかねえじゃねえか!
ごめーん。
謝る暇があったら手伝ってくれ!
多数の魔物と戦闘をしながらも、洞窟を進んで行く勇者たち一行の旅は続くのであった。