姫がさらわれたことを知った勇者たち一行は、仲間にそれを伝えるため宿に戻っていた。
姫がさらわれたことを知った勇者たち一行は、仲間にそれを伝えるため宿に戻っていた。
まさかそんなことになってるなんて。
迷惑なことしてくれたね、ほんと。
魔法使い!
……。
戦えもしないのに一人で行動しちゃダメってなんでわからないのかな。
心配だね。
……。
で、勇者はなんで落ち込んでるの。
守るって約束したのに…守ってやれなかった。
別に死んだわけじゃないんだから。
安全な場所に居なかったら命の危険とはいつも隣り合わせだ!
なんでもっと気にかけてあげられなかったんだ…。
勇者落ち込んでたってなにも解決しねえよ。
準備を整えて早く助けに行くのが一番だろ!
でも、もし姫の身に危険があったら…。
……勇者。あなたが来たくなければ来なければいい。姫は私たちで助ける。
そんなこと言ってないだろ!
ならなぜずっと悩んでる!
それは…。
心に迷いがあっては剣は振れない!そんな者を連れていくわけにはいかない!
……オレは。
過去を見るな!未来を見据えろ!悪いイメージを祓って進め!
……そうだな。
なにをくよくよしてるんだオレは。
よし!みんなで姫を助けて魔王を倒すぞ!
おう!
……。
はーい。
ところでさっきの先生の言葉だよな。
……言ってみたかった。
先生?
女勇者の騎士のことだ。オレ達、剣術を習ってたんだ。
へー。
……魔法使いは何をしてたの?
あたしはもちろん薬の調合だよー。
でも、今回魔王討伐の決定打になるかもしれない薬もできた。
効果も実証済み。
ほんとか!
どんな薬だ?
言っちゃったら面白くないでしょー。
まあ、出発前に勇者に渡しておくよ。そのほうがいい気がするし。
わかった。楽しみにしてるからな。
だれだ?
魔王の居場所を伝えに来た。
先生。
町を出た先に洞窟がある。その奥に以前から倒せないでいる魔物がいる。
……そこが魔王のアジト。
そういうことだ。
なんかいよいよ最終決戦といったところだねー。
みんな!明日の朝出発だ!姫を救出するぞ!
勇者が立ち直り、魔王のアジトもわかった勇者たち一行は姫を救出するため町をあとにするのであった。