自宅(釣鐘家 リビング)
自宅(釣鐘家 リビング)
えーと……お母様?
様って…やーねセイちゃん。何言ってるのよ
…いや、あの、その人…って
こんばんわ、はじめまして。私は
私は緊張していた
目の前にあの…巫女さんがいたからだ
近くで見るとより、本当にキレイで驚いた
天川シズクといいます。あの?大丈夫ですか
え、あ、はい。大丈夫です
そうですか。良かったです
あ、ま、かわしずくさん…
や、ヤバイ。声もめちゃくちゃ可愛い
ちょっとセイちゃん!シズクちゃんが自己紹介したんだから貴方もしなさいよ!
え、あ、うん。えーと私は釣鐘セイカ!
セイカでいいよ…です
セイカ…さん。敬語使わなくていいですよ。私の方が年下ですから
あ、そうか。そうだよね。
ご、ごめん…シ、シズク…ちゃん
はい
ニコリと笑う彼女を見て私は思わず目を奪われてしまった
か、可愛すぎる…。いや、やっぱり喋ると
見方変わるんだなー
…セイちゃん。貴方…
何、顔赤くしてるのよ?気持ち悪いわよ
え、べ、別に何でもないよ。大丈夫だから
セイカさん。本当に大丈夫ですか?
熱でもあるんじゃ…
ほ、本当に大丈夫だから。何でもないってば
そうですか。なら良いんですが…
ヤバイ。理性が…正気に戻らなくちゃ
私は自分の顔を軽く叩いてから
はー、ところでっさ。シズクちゃん
はい
どうして月祭りの巫女さんが私の家に?
それは…
あー、そうそう。それはね…
お母さんが説明を始めた
30分後
…つまり、シズクちゃんは神社の
神主さんの遠い親戚で、夏休みでこっちに
遊びに来てるって事?
そーなの。しかも、シズクちゃん
超可愛いじゃない?
私は全力で首を縦に振る
でしょ、でね。一週間前にはこっちに遊びに来てたんだけど、その時に神主さんは勿論、神社に勤める人達、全員から是非巫女役
にってオファーがあったみたいなのよ
そりゃ、そーだって思った
巫女役どころか本物の巫女として神社に
永久就職出来そうなレベルだ
そんなわけで急遽、巫女さん役に選ばれたらしいのよ。で、舞もちょっと練習しただけで出来ちゃったみたいなの。
びっくりよねー。あれって凄い難しくて一ヶ月前から準備しないと出来ないらしいのに
なんて事だ
頭や運動神経も良いのか。
完璧すぎる…
本当に凄いわよねー。うちの子なんて特技って言ったら足が早い事くらいで…
そうなの。私ってば足が早いくらいで…ってお母さん!?
ふふ、ごめんなさい。嘘よ。
セイちゃんの良い所は他にもあるもんね♪
楽しそうですね。あ、すいません。おば様?
はい?何かしら?シズクちゃん
私はそろそろ…
あら、良いのよ。今日は夕ご飯も食べて泊まってって頂戴
!?
いきなり何を言い出してるんだ。この人は
我が家に天使を泊まらせようというのか…
ここは天国じゃない
穢れてしまう
おば様。それは迷惑では?
いいのよ。どうせ、そのつもりで家に呼んだんだから。あ、神主さんには連絡して許可もらっておいたから
そう…ですか。あ、セイカさんは大丈夫でしょうか?
勿論。ってセイちゃん、貴方また、
そんな気持ち悪い顔して…
え?えぇーと…わ、私はシズクちゃんさえ、迷惑じゃなければ別に…
あれ?何言ってんだ私…
私は…おば様とセイカさんが良ければ断る理由はないです
良かったわー。あ、セイちゃん。シズクちゃんはあなたの部屋で寝てもらうから、
よろしくねん
そ、そうね。シズクちゃんは良いのかな?
多分、私の声は震えていたと思う…
私は別に大丈夫ですけど、あのその…セイカさん
?
よ、よろしくお願いします
天使の顔は真っ赤だった
あぁ、神様。
今夜、私は罪を犯すかもしれません
どうか。お許し下さい
私は神様に本気で許しを請うのであった