夏が終わりに近づいてくる。
毎年遅刻することのなくやってくる夏は、ゆっくりと帰っていく。
それはうっとおしいくらいに・・・
それは・・・
たぶん、アイツみたいに・・・
夏が終わりに近づいてくる。
毎年遅刻することのなくやってくる夏は、ゆっくりと帰っていく。
それはうっとおしいくらいに・・・
それは・・・
たぶん、アイツみたいに・・・
やっと涼しくなってきたわ。
今年はやけに暑かったし。誰が張り切っているのかしら?
・・・いや、違うわね。
たぶん、今年は人口密度が高かったせいね。
今年はウズメが居候してたり、その関係でいろんな人が来たから・・・
まぁ、暑いというよりは鬱陶しい方が正しいのだけど・・・
それにしても、一気に静かになったものね。
ホント、あの子の力は私からしたら厄介だわ。
誰もいなくなった。
数名いる人間も騒がしい訳でもなく、ただ、そこにいるだけ・・・
でも、なんというか・・・
・・・穴が開いた・・・ってところかしら・・・
よし、綺麗になった。
さて、ドラマみましょう。
ヤッホー!!ハニー
・・・間が悪い・・・
がいな祭?
そう、ちょうど二日目だし。花火を一緒にどうかなって・・・ね?
まぁ、キミは嫌だというだろうけどね。
そうと分かっているならなぜ・・・
ここから見るのも悪くないからね。
できれば一緒に見てもいいかい?
まぁ、それは構わないわ。
本当に・・・
どうしたんだい?ハニー
なんでもない!!
良かった。曇らなくて・・・
それにしても、本当に見えるの?こんな離れた場所から
あぁ、大丈夫・・・
そろそろかな・・・
ずっとずっと遠くの方
ドン・・・ドン・・・
と何かが”弾けた”音がする。
ほら、見えないじゃない・・・
まったく・・いい加減なことばかり―
言葉を並べていた瞬間だった。一面が真っ赤に焼けた。
そして、パラバラと音を立てて収まっていった。
え?!
言っただろう?
”見える”って・・・
・・・・
わけがわからなかった。真っ白だった。
確かにここは山の中、遠くの風景も見ようと思えば見える。
でも、聞こえるのは音だけ・・・”光まで届くわけがないハズ”
でも、いま、現実に・・・
花火は見えているだろう?
まぁ、少し手伝ってもらったんだ。知り合いにね。
どうしても、君に見せたかったんだ。
今日の花火を・・・
どういうこと?
人気の多い場所が嫌いな君だからね。
一緒に見ようなんて言っても来てはくれないし。
それなら・・・ってね。
なかなかに大変だったんだ。
音は届いても光は遅刻してしまうんだから・・・
・・・あきれた・・・
え?
そこまでしてやることなのかしら?
こんな事してないでもっと―
”こんな事”でも、僕にとっては”大切な事”さ。
どっちにしたって、また少しの間ここには来れなくなってしまう。
その前に・・・
はぁ・・・あなたって毎年ね。イザナギ
どうせ、”すぐ帰ってきてくれるのでしょう?”
だったら、私は構わないわ。
だって、あなたは・・・ここに帰ってくれるのだから・・・
・・・
あぁ・・・そうだな・・・
と・・・まぁ、来てみたのですが・・・これはこれは出にくいですね・・・
あぁ・・・そっと帰るぞ・・・
そうですね・・・
えー!!
駄々を言わない!!
・・・僕が頑張ったのに・・・
まぁまぁ、お疲れさんって言ってやるから・・・
パァァァ
うわ・・ちょろい
さて、どっかで一杯やろうぜ!!
おー!
・・・おー
・・・この子は?