ミクとトウヤは、公園から去っていった。シュンは、遠くなっていく二人の後姿を静かに見守った。
ねぇ。トウヤ。なぜあの時、私の代わりに、金の指輪を使ったの?
お前の寿命がなくなっちまうのが嫌だったんだ。それだけだよ。
私のために、寿命をくれたんだ。なんで?さっき会ったばかりの私にそこまでしてくれたの?
いや、ミクは俺達と同い年くらいなのに、スゲェ奴だなって思ってさ。こんな凄い奴を死なせるわけにはいかないって思ったんだ。
それにちょっと好みのタイプだったんだ。
ふーん。私もあなたの事、嫌いじゃないわよ。
おっ、マジか!付き合おうぜ。俺達。
バカね。私は世界を壊さなきゃいけないのよ。そんな事してる暇ないわ。
ちぇっ。残念だな。
仕方ないわ。そういう運命だったんだもの。
運命・・・か・・・
二人とも命を懸けて戦ってくれてありがとうね。
うん。まぁ自分の身を守るためだしね。
かわいい女の子を助けるのは男の義務だからな。
ふふっ。でも二人にはこれ以上迷惑をかけられない。ここでお別れね。
そのことなんだけど・・・。
俺はミクについて行こうかと思ってる。
嬉しいけど、でもそこまでしてもらう理由がないわ。
いや、あるんだ。俺さ。日常が退屈すぎてうんざりしてたんだよ。正直ミクといっしょにいたら、退屈はしない気がする。こんなチャンスを待ってたんだよ!
でも、命懸けなんだよ?未来の警察は、アキラだけじゃないから、また襲われるかもしれない。
だったら余計に俺がいっしょにいたほうがいいだろ。側にいれば守ってやれる。
本当にいいの?
いい。自分の判断だ。後悔はしない。
そう。分かったわ。
僕は二人といっしょにはいけないよ。戦いとかそういうのは怖いんだ。
うん。誰もその判断を責めはしないわ。それが普通の反応だもの。
本当にごめんね・・・
だからいいってば。それよりシュン君。これを受け取って。
これは金の指輪と銀の指輪。なんで?
申し訳ないことなんだけど私と、接触したあなたは未来の警察に狙われるかもしれない。だからこの2つの指輪を渡しておくわね。
使い方は銅の指輪と同じだけど、銀の指輪や金の指輪のほうがより強い力を発揮するわ。
リスクについてだけど、銅の指輪は体力、銀の指輪は精神が疲弊するわ。金の指輪を使うと寿命が減るからそれは最後の切り札にしてね。
結局、戦いは避けられないのか・・・
いいえ。そんな事はないわ。たぶんあなたが襲われる事はないと思うの。でも、もしもの時の保険としてそれを渡しておくわ。
そうか。わかったよ。ありがとう。二人とも気をつけて。
ああ。大丈夫だ。ミクは俺が絶対に守る。
じゃあ。行くわね。さようなら。
ミクとトウヤは、公園から去っていった。シュンは、遠くなっていく二人の後姿を静かに見守った。
To be continued