トウヤ

行くぞ!身体強化!

トウヤの体を白色の光が包みこみ、トウヤの身体能力が一時的にだが、飛躍的にUPした。そしてその強化された足で、敵との間合いを一気に詰めた。

トウヤ

うおおおおお!

トウヤの怒涛のラッシュが、アキラを襲う。しかしその攻撃は全て防御されてしまった。

アキラ

お前の力はこんなものか?

トウヤ

くそっ!なんで効かねーんだ!

ミク

おかしいわ。いくらアキラでも、身体強化されたパンチをくらったら、タダじゃすまないはずよ。防御したって少しはダメージを受けるはずなの。

ミク

だけどあいつには一切ダメージがない。どういうことなの?

ミク

トウヤ。今はまだ何もいい考えが浮かばないわ。でもそのまま攻撃を続けて。相手に反撃の隙を与えないように攻め続けて!

トウヤ

オッケー。スタミナも強化されてるみたいだから、まだまだ戦えるぜ。

アキラ

こんな不毛な攻撃をいつまで続ける気だ?

トウヤ

お前がくたばるまでだよ!

アキラ

・・・

ミク

トウヤ。服を破いてみて!

トウヤ

オッケー。

トウヤは、アキラの腕を掴むと、袖の部分を力任せに引きちぎった。すると中から、機械仕掛けの腕があらわれた。

トウヤ

こっ、これは!

ミク

なんて事なの。機械に思考を支配されるだけでは飽き足らず、自らの体まで差し出したのね。

ミク

もうあなたは人間でもなんでもない!

アキラ

その通り。私はもう人ではない。人の進化した形。これこそが正しい人の在り方なのだ。

ミク

ついていけないわ・・・

トウヤ

でもどーすんだ。あんな機械、堅すぎていくら身体強化しても倒せねーよ。

ミク

心配しないで、私が・・・やるわ・・・

ミクはそういうと金の指輪を取り出し、指にはめた。

アキラ

そ、それは金の指輪。そんなものまで持ち出していたのか!

ミク

ふふ。顔色が変わったわね。シュンやトウヤに渡した銅の指輪とは格が違うからね。

アキラ

それは確かに強力なアイテムだが、使えば寿命を消費するぞ。やめておけ。

ミク

やめないわ。たとえ寿命が縮むとしても、あなたを倒せるのなら、それでも構わない。

ミク

どっちにしろあなたに勝てなきゃ殺されるんだものね。

アキラ

・・・

アキラはミクを警戒して剣を構えなおし、一定の距離を取った。どんな攻撃が来てもかわせるように、準備して待機した。

ミク

離れても無駄よ。これは全てを飲み込むから。炎竜ドラゴニア!

ミクはそう言い放つと、手から炎を放った。そしてその炎は竜の形になり、アキラに襲い掛かった。

アキラ

くっ。おおおお。

アキラの全身が炎に包まれ、その機械の体が、熱で徐々に溶けていった。

ミク

やったわね。

トウヤ

凄い力だ。でもいいのか。寿命が縮むなんて・・・。

ミク

構わないわ。私は世界を壊すと決めたその日から、自分の命を差し出したのよ。寿命が縮むくらいどうってことないわ。

シュン

ねぇ。もしかして僕らの使った銅の指輪も寿命が縮むの?

ミク

それはないから安心して。銅の指輪は体力を消耗するだけで、害はないわ。

シュン

そっか。よかったぁ。

ミク

ホッとしてるところ悪いんだけど、まだ終わってないみたいだから気を抜かないでね。

シュン

えっ!

シュンが、竜の炎に飲み込まれたはずのアキラを見ると、その炎はもう消えていて、アキラは物凄い形相でこちらを睨んでいた。

アキラ

よくもやってくれたなぁぁぁぁ!!

アキラは咆哮をあげると、手に持った刀をブンブンと振り回した。

ミク

完全に冷静さを失ってる。こんな攻撃当たらないわ。トドメをさすわね。

トウヤ

待てよ!あんたまたあの力を使う気なのか?

ミク

そうよ。並みの攻撃じゃアキラには効かないから。仕方ないわね。

トウヤ

限りある寿命をそんなに削る事ないぜ。俺に任せろよ。

ミク

だからあなたの攻撃はアキラには通じないんだって。

トウヤ

金の指輪、まだあるのか?あるなら俺にも渡してくれ。

ミク

あなた正気?寿命が縮むのよ。

トウヤ

分かってる!いいからよこせって。

ミク

・・・。どういうつもりか知らないけど、私は責任取らないわよ。

そういうとミクは金の指輪をトウヤへと手渡した。

トウヤ

サンキュ。

金の指輪を装着したトウヤの手から、凄まじい電流が放たれる。その雷は、竜の形となり、アキラに襲い掛かった。

トウヤ

行け!雷竜!!

アキラ

ぐおおおおおっ!!

アキラの機械の体に、電流が迸る。その電気は頭から足の先まで余す事無く電流を走らせ、アキラの体を焼き尽くした。

トウヤ

やったぜ!

アキラが息絶えると、この場を形成していた力が消え、空間に亀裂が入る。

ミク

元の公園に戻るわよ。

シュン

帰ってきたね。

トウヤ

ああ。もう駄目かと思ったぜ。

ミク

さてと、一息ついたら今後について話しましょうか。

To be continued

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