アキラ

ミクは我々のいる未来の世界では「時を駆ける魔女」と呼ばれているテロリストだ。

トウヤ

あんた達は未来から来たのか?

アキラ

その通りだ。ミクも私も、この時代から約100年後の未来から来たタイムトラベラーだ。

シュン

ミクが未来のテロリストだとしたら、アキラは何なんだ?

アキラ

私は警察のテロリスト特別対策班の一員だよ。重犯罪者であるミクを追ってこの時代まで来たのだ。彼女が起こそうとしているテロを未然に防ぐためにな。

ミク

我慢して黙って聞いてたけどもう我慢ならないわ。私はテロリストなんかじゃない。人々の自由のために戦う戦士よ。

アキラ

それは言葉を言い換えただけだ。君がテロリストであるという事実は覆らない。

ミク

シュン。トウヤ。信じて。私はテロリストなんかじゃないの。ちゃんと説明するわ。

トウヤ

ああ。全部聞くよ。

シュン

聞かせてくれ。

ミク

今から約100年後の未来は、機械による完全な統治が行われた世界よ。何も人々に自由はないの。

トウヤ

えっ。そうなのか?

シュン

今からたった100年でそんな事になるだなんて!信じられない。

ミク

あなた達が信じられないのも無理はないわ。でも、この後急激に進化した人口知能が、全ての人類を凌駕して世界を統治に導くのよ。

ミク

統治に至るまでには、当然争いもあったわ。人間対人口知能コンピューターの戦争が起きたの。その辺りの説明は長すぎるから省くわね。

ミク

とにかく結果的に、人間は、人工知能コンピュータに完全に敗北するのよ。そして、人間は家畜のような扱いになったわ。

ミク

人間の行動の全てがコンピュータの管理によるものとなったのよ。恋愛も仕事も、全てが人口知能コンピュータの指示で行われるようになったの。

トウヤ

ひでぇな。それ。

シュン

この世界がそんな事になってしまうなんて・・・

ミク

私はそんな世界にさせないために、この世界に来たのよ。悪夢のような世界を終わらせるために。

アキラ

それはお前にとっての価値観でしかない。全ての人にとって悪夢だとは限らないのだよ。

ミク

そうね。私の価値観だわ。それは認める。だけどこうする事が、結果的に多くの人を救う道に繋がるのだと私は信じているわ。

アキラ

人が人を救えるなどと思うのはエゴでしかない。人を正しく導けるのはコンピュータだけだ。

ミク

コンピュータの判断は全て正しいとでも言うの?

アキラ

そうだ。コンピュータは全てを正しく把握している。

ミク

では、私の存在はどうかしら?コンピュータは把握していたの?

アキラ

もちろんだ。だから私がここにいて君をこうして追い詰めているんだろう。

ミク

じゃあ私がこの場であなたを倒して、コンピュータが間違ってる事を証明するわ!

アキラ

やれるものなら、やってみろ!

ミク

シュン!トウヤ!あなた達は私達の話を聞いてどう思った?

シュン

コンピュータに支配された世界なんて嫌だって思いました。

トウヤ

ああ!機械ごときに支配されるなんてごめんだね。

ミク

そう。じゃあ。私に力を貸してくれるわよね?

シュン

うん。僕で役に立つなら、協力するよ。

トウヤ

人間の未来を機械になんて渡さねーよ。

アキラ

かかって来い。

アキラのその一言が引き金となって、4人の戦いが始まった。その戦いは、コンピュ-ターの予想を超えた激しい戦いとなった。

To be continued

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