女勇者との勝負に負けてしまった勇者たち一行は彼女らに剣を習うことになった。

女勇者

と言うわけでこれから剣の指導を始めます。

女勇者

皆さん準備はいいですか。

勇者

……。

剣闘士

……。

騎士

……。

女勇者

返事は!

一同がはーい、とやる気の感じられない返事をしたところで剣の指導が始まった。

女勇者

ではさっそく…。

女勇者

て、二人ほど足りませんけど。

勇者

魔法使いは剣を使わないから宿にいる。

勇者

姫はまだ戻ってこない。

女勇者

まあ、あの人はやたらとうるさいのでいなくてもいいです。

女勇者

それではさっそく私の戦い方を伝授しましょう。

そうして数十分、一行は女勇者の動きを真似て剣を振り続けた。

勇者

はあ…はあ…。

剣闘士

ふぅ…。

騎士

……。

女勇者

もうへばってるんですか!気合が足りません!

勇者

無駄な動きが多すぎる。なんでそんなに飛んだり跳ねたりしなきゃいけないんだ。

女勇者

そのほうがかっこいいじゃないですか。

女勇者

ただ戦うだけでは華がありません。後世に語り継がれる戦いは優雅にかっこよくするものです。

騎士

……優雅ではない。

剣闘士

こんなんやっても意味ないだろ!

女勇者

なんでそう言い切れるんですか!

剣闘士

こんな隙だらけの動きしてたらやられるにきまってるだろ!

騎士

先日、勇者はその動きに対応できずに負けたはずだが。

剣闘士

ぐっ…。

騎士

だが、主様以外でこのような戦いをする人も見たいことがないのも事実。

女勇者

我流ですから!

女勇者

はっ、これは一家相伝の流派として受け継いでいくべきでは…。

騎士

……。

騎士

……それならば貴方に剣を教えてほしい。

騎士

私がお前たちに教える?

騎士

ふん、自分が負けた相手に教えを乞うのか。

剣闘士

そうだぜ騎士!こいつに負けたのが悔しくないのか!

騎士

……魔王を倒すため、仲間を守るためなら変な維持は張らない。

騎士

……それに強くなった後に勝てばいい。

剣闘士

騎士…。

剣闘士

おう!また一緒にリベンジしてやろうぜ!

騎士

……。

騎士

いいだろう。お前たちに戦い方を教えてやろう。

女勇者

女流剣技…いや、やっぱり名前から取ったほうが…。

騎士

主様、指導を再開しますよ。

一行は指導者としては壊滅的な女勇者の代わりに女勇者の騎士に剣を教わることになった。

騎士

まずは騎士と剣闘士で戦ってみろ。

剣闘士

わたし達でか!?

騎士

……なぜ。

騎士

ふん、お前らの戦い方は極端に違う。互いに切りあったことはないだろう。

騎士

……一回だけ幻覚に惑わされて切りあったことはある。

剣闘士

あれはびっくりしたな。

騎士

ともかくやってみることだな。

騎士

あと体には当てるなよ。死ぬからな。

剣闘士

おっしゃ!やるぞ騎士!

騎士

……負けない。

剣闘士と騎士は剣を構えて相対した。

勇者

なあ、オレは何をすればいい?

騎士

お前は主様とひたすら打ち合え。

勇者

あれと?

騎士

主様は剣こそむちゃくちゃだが実力はある。あの動きに対応できるようになればこの先も戦えるだろう。

勇者

なるほど…、ありがとう。

勇者

おーい、女勇者。一緒に練習しよう。

女勇者

流線衝覇剣…激烈とかでもかっこいいですね…。

勇者

何言ってるんだ?

剣闘士

うらあ!

騎士

……。

剣闘士の攻撃を少ない動きでかわしていく騎士。

剣闘士

くそっ、なんで当たんねえんだ!

騎士

……はっ!

剣闘士

うおっ!

隙をつくように騎士の攻撃が繰り出される。

剣闘士

よええ!

ガインッ!

騎士

……!?

しかし、剣闘士は騎士の攻撃を弾き返した。

剣闘士

……。

騎士

……。

騎士

そこまでだ。

女勇者の騎士の声がかかり中断される。

剣闘士

攻撃が当たんねえ…。なんでだ。

騎士

……弾かれた。当たる攻撃だったはず。

騎士

これでそれぞれどうすればいいかなんとなくわかっただろう。

騎士

騎士は技の威力を上げろ。やりかたは問わん。

騎士

……わかった。

騎士

剣闘士は私が剣術を教えてやる。こっちに来い。

剣闘士

うげえ。

騎士

勝てないままでいいのなら来なくていい。

剣闘士

行ってやるよ!

こうして勇者たち一行のトレーニングが始まり、姫の存在の意識はより遠くなったのだった。

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