姫の誘拐に気付かない勇者たち一行は、翌日女勇者に言われた通り決闘をした場に来ていた。
姫の誘拐に気付かない勇者たち一行は、翌日女勇者に言われた通り決闘をした場に来ていた。
来ましたね!
おはよう。
おはようございます。
て、挨拶はいいんです!
ノリツッコミをしながらもなぜか女騎士は興奮気味だった。
それでオレたちをここに呼び出した理由は?
はい、私と戦ってください。
結局それなんだ。
わたしもやるぞ!
……リベンジ。
やらないからな。帰るぞ。
お待ちなさい!
町に戻ろうとする勇者たちを女勇者は真面目な表情で止めた。
あなたたちは魔王を討伐しに行くそうですね。
初めてあった時からそう言っていたんだが。
今いいとこなんですから水を差さないでください。
あなたたちは魔王を討伐しに行くそうですね。
やり直すのか!?
この間、剣闘士と騎士の実力は見させていただきました。
騎士も言っていましたがあのままでは実力不足でしょう。
今日はあなたの実力を見るために勝負をしに来ました。
水を差されないようまくしたてるように女勇者は言った。
そんな勝負は必要ない。
あなたの力不足で仲間が死んだ後も同じことが言えますか。
……。
安心してください。本気でぶった切るつもりではないので。
……。
わかった。
じゃあ騎士さん。勝負だ!
いや、私ではないのだが。
初めに私と勝負と言ったはずです!
いやでも…強いの?
失礼ですね!あなたよりは強いです!
なんだと!
そしてまたも決闘が始まった。
お互いに剣を構えながら相対する勇者と女勇者。
さあ、いつでもきなさい!
はあああああ!
はっ!
勇者が繰り出した斬撃を女勇者はバック転で避ける。
……。
次はこちらからいきます!
なんだこの動き!
女勇者はジャンプをしたり、回転したりしながら勇者に連撃をしていった。
やあ!はっ!
くそっ!
ギィン!
勇者と女勇者の剣が交差し、鍔迫り合いになる。
ふふふ、なかなかやりますね。
言いたいだけだろそれ!
うるさいです!
なんだこの力!?
女勇者の力に押し負け、状態を崩す勇者。
ここまでです。
くそっ。
とどめぇ!
!?
ストップ主様!
向こうの騎士の声に動きを止める女勇者。
これは実力図るための戦いだったはずです。とどめを刺してはいけません。
ああ、すみません。
ついいつものイメージ通りに動いてしまいました。
というわけで私の勝ちです。
オレたち旅をやめろとでもいうのか!
わたしはこんなとこで帰んねえぞ!最後まで戦ってやる!
……魔王を倒すまでは帰らない。
倒さないとお金もらえないし。
まだ何も言ってないじゃないですか。帰れなんて言いませんよ。
あなたたちには剣の修業を積んでもらいます。
はい?
ですから、修行です。
私と騎士が付きっきりで指導をしてあげると言っているんです!
私はまだなにも言ってないんですが…。
なのでこれからは私たちのことを先生と呼んでください。
勝負に負けた条件として女勇者たちに剣を習うことになった勇者たち一行。姫の誘拐にも気づかず、一行の旅は続くのであった。