姫の誘拐に気付かない勇者たち一行は、翌日女勇者に言われた通り決闘をした場に来ていた。

女勇者

来ましたね!

勇者

おはよう。

女勇者

おはようございます。

女勇者

て、挨拶はいいんです!

ノリツッコミをしながらもなぜか女騎士は興奮気味だった。

勇者

それでオレたちをここに呼び出した理由は?

女勇者

はい、私と戦ってください。

魔法使い

結局それなんだ。

剣闘士

わたしもやるぞ!

騎士

……リベンジ。

勇者

やらないからな。帰るぞ。

女勇者

お待ちなさい!

町に戻ろうとする勇者たちを女勇者は真面目な表情で止めた。

女勇者

あなたたちは魔王を討伐しに行くそうですね。

勇者

初めてあった時からそう言っていたんだが。

女勇者

今いいとこなんですから水を差さないでください。

女勇者

あなたたちは魔王を討伐しに行くそうですね。

剣闘士

やり直すのか!?

女勇者

この間、剣闘士と騎士の実力は見させていただきました。

女勇者

騎士も言っていましたがあのままでは実力不足でしょう。

女勇者

今日はあなたの実力を見るために勝負をしに来ました。

水を差されないようまくしたてるように女勇者は言った。

勇者

そんな勝負は必要ない。

女勇者

あなたの力不足で仲間が死んだ後も同じことが言えますか。

勇者

……。

女勇者

安心してください。本気でぶった切るつもりではないので。

勇者

……。

勇者

わかった。

勇者

じゃあ騎士さん。勝負だ!

騎士

いや、私ではないのだが。

女勇者

初めに私と勝負と言ったはずです!

勇者

いやでも…強いの?

女勇者

失礼ですね!あなたよりは強いです!

勇者

なんだと!

そしてまたも決闘が始まった。

お互いに剣を構えながら相対する勇者と女勇者。

女勇者

さあ、いつでもきなさい!

勇者

はあああああ!

女勇者

はっ!

勇者が繰り出した斬撃を女勇者はバック転で避ける。

勇者

……。

女勇者

次はこちらからいきます!

勇者

なんだこの動き!

女勇者はジャンプをしたり、回転したりしながら勇者に連撃をしていった。

女勇者

やあ!はっ!

勇者

くそっ!

ギィン!

勇者と女勇者の剣が交差し、鍔迫り合いになる。

女勇者

ふふふ、なかなかやりますね。

勇者

言いたいだけだろそれ!

女勇者

うるさいです!

勇者

なんだこの力!?

女勇者の力に押し負け、状態を崩す勇者。

女勇者

ここまでです。

勇者

くそっ。

女勇者

とどめぇ!

勇者

!?

騎士

ストップ主様!

向こうの騎士の声に動きを止める女勇者。

騎士

これは実力図るための戦いだったはずです。とどめを刺してはいけません。

女勇者

ああ、すみません。

女勇者

ついいつものイメージ通りに動いてしまいました。

女勇者

というわけで私の勝ちです。

勇者

オレたち旅をやめろとでもいうのか!

剣闘士

わたしはこんなとこで帰んねえぞ!最後まで戦ってやる!

騎士

……魔王を倒すまでは帰らない。

魔法使い

倒さないとお金もらえないし。

女勇者

まだ何も言ってないじゃないですか。帰れなんて言いませんよ。

女勇者

あなたたちには剣の修業を積んでもらいます。

勇者

はい?

女勇者

ですから、修行です。

女勇者

私と騎士が付きっきりで指導をしてあげると言っているんです!

騎士

私はまだなにも言ってないんですが…。

女勇者

なのでこれからは私たちのことを先生と呼んでください。

勝負に負けた条件として女勇者たちに剣を習うことになった勇者たち一行。姫の誘拐にも気づかず、一行の旅は続くのであった。

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