第七話
恋と裏切りのリズム
第七話
恋と裏切りのリズム
!!
…
テーブルに各々のタイムウォッチを差し出すメイドたち。リナは9分51秒。梅田は10分ジャスト。
有り得ない!どうしてー!?
まあ、潜って来た修羅場の数がちゃうって事ですわ。ほな、ごちそうさん
千円札をテーブルに置いて席を立つ梅田。
待って下さいご主人様!!リナ納得できませーん!!
銃を向けるメイドたちをものともせずリナに近づく梅田。
そや、すっかり忘れとった!願い事。
チューしましょチュー!!お前らは黙って見とけ!
不意にギュッと抱きしめる。
ちょっとご主人様。恥ずかしいです
心臓とはちゃう音、カチカチ鳴っとんのわかります?僕の体、時限爆弾仕掛けられとりますねん。地下マフィアのドンの宿命ですな。撃つなら撃ったらええよ。ただ、このビルいや、アキバごと吹っ飛ぶで
!!
・・・
もっと言うとお前ら気利かせて目瞑っとけアホンダラ!恥ずかしいゆうとるやんけ!いてまうぞコラ!
目を閉じる二人のメイド。距離を取って見つめ合う梅田とリナ。
ご、ご主人様~。リナ、何だか胸がチクチクしますう~
僕ももう爆発寸前ですわ。今度はハートに火が点いてしもた
ご主人様
ん?
ジェネレーションギャップです!
こりゃ一本取られたましたな。よっしゃ、その溝を早急に埋めていきましょ
重なりかけたリナと梅田の体の隙間を縫う銃声。倒れる梅田の左胸元と、右肩口をメイド二人の銃弾が刺さっている。
ご主人様!!
ハイ、カット!!ほらやっぱ嘘だった。それに何か困ったら“いてまうぞ”と“アホンダラ”。これだから西の奴らは気に入りませんよね、お頭?
まあね、でもたまにはいいんじゃない?いつも童貞のオタク狩りばっかじゃネタも尽きちゃうからさ。リナ、今回も最後まで迫真の演技だったよ。円盤売れ次第、振り込んでおくから。
今回のはいつもよりドラマチックな展開だから高く売れると思うわ~。リナのカメラも頂戴
リナはワイヤレスイヤホン型の小型カメラを差し出した。
ばっちり取って来た?タバコの件とか、そういうディティールも重要だから
...はい、大丈夫だと思います
まあ、これからもよろしく頼むよ。いつもの清掃業者呼んだら、今日はもう上がっていいや。
…ありがとうございます国王様、王子様
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