仮面の男はそう言うと、持っていた剣を鞘から抜き出して構えた。そして目にも止まらぬ速さで、あっという間に間合いを詰めると、トウヤの胸を剣で斬りつけた。
さぁこの腕輪の使い方を教えてくれ!
ええ。まずは・・・
そんな事させるわけないでしょう!
仮面の男はそう言うと、持っていた剣を鞘から抜き出して構えた。そして目にも止まらぬ速さで、あっという間に間合いを詰めると、トウヤの胸を剣で斬りつけた。
ぐわぁぁぁ
仮面の男の剣は、トウヤの胸を切り裂き、トウヤは大量の出血と共に、地面へ倒れた。
まずいわ!このままだと、トウヤは死ぬわよ。
どうすればいいんだ?なんとかならないのか!
指輪の力を使うのよ。あなた達に渡した指輪は、その人が本来持っている潜在的な力を引き出す力を持っているの。
だからあなたに潜在的に、治癒の力が眠っていれば、その力を引き出す事で、トウヤを救う事ができるはずよ。
もし僕にそんな力が眠ってなかったらどうなるんだ?
残念だけど、トウヤは死ぬわ。
そんな・・・
友達を助けたければやりなさい。さぁ。指輪に意識を集中して、トウヤに向けて、トウヤの傷が治るようにイメージするの。
やってみるよ!
トウヤの傷が治りますように・・・
シュンが、トウヤに向かって、指輪を向け、目を瞑り祈り始めると、指輪が輝きだし、そこから暖かい緑色の光が放たれた。そしてその光を浴びたトウヤの胸の傷はどんどん塞がっていった。
凄い!
シュン。ありがとな。それにしてもその指輪スゲーな。
トウヤ、あなたも使えるはずよ。意識を集中してみて。
ん。こうか?
トウヤが指輪に意識を集中させると、今度は指輪が白色の光を放ち始めた。
この光は何だ?なんだか体の奥底から力が沸いてくるんだが。
白色の光は身体強化の光よ。あなたのスピードもパワーも今までとは比べ物にならないくらい強化されているはずよ。
ふぅ・・・やれやれ。指輪の力に目覚めてしまいましたか。やっかいですね。本来の力に目覚める前に終わらせたかったのですが。
そこの男二人。名前はなんですか?
トウヤだ。
僕はシュン。
トウヤ。シュン。君達はなぜそこの女の味方をするのだ?
なんでだと?俺達はただ巻き込まれただけだ!
では何も事情は知らないのか?
そうだ。俺達は、ミクをナンパしてただけだからな。
では全てを教えよう。ミクは「時を駆ける魔女」と呼ばれている未来の重犯罪者だ。
時を駆けてこの時代に来た事が犯罪なのか?
いいや。違う。彼女は世界を壊そうとしているのだ。
世界を?どういう事だ?
ストーーーップ。そいつの話を真に受けないで。トウヤにいきなり斬りつけて殺そうとしたでしょ?それが奴の本性よ。
二人が指輪の力に目覚めてやっかいだから、戦うのはやめて、話しで説得させようと作戦を変えたのね。狙いがバレバレだわ。
確かにそういう作戦なのかもしれない。だけど彼の話には、僕らの知らない情報が沢山含まれていた。聞く価値はあると思う。
シュンがそういうなら、俺も賛成だ。戦うのは仮面の男の話を聞いてからでもいい。
ふふっ。いいかげん仮面の男と呼ぶのはやめてくれないか?私にはアキラという名前があるんでね。
じゃあ、アキラ。話の続きを聞かせてくれ。
待って。だめよ。アキラの話はでたらめよ。騙されてはいけない。
話を聞いてから判断してもいいだろう?それとも聞かれちゃまずい話でもあるのかい?
・・・。好きにすればいいわ。そのかわり話を聞いたら、あなた達はもう引き返せないわよ。後悔しても知らないわ。
へっ。後悔も何も、もう完全に俺達は巻き込まれてるだろ。今更あとに引けるかよ。
うん。なんだか分からないけど、このまま事情も分からないまま殺しあうなんておかしいよ。まずは理由を知りたい。
話はまとまったようだな。では話そう。ミクの全てを。この女がこれから犯そうとしている犯罪を!
To be continued