森の中に明かりがあるはずがなく、遂にその時がやって来ました。
森の中に明かりがあるはずがなく、遂にその時がやって来ました。
せめて開けた場所を探そうとギリギリまで歩きます。
獣道も無くなり草木を分けて歩いていたら、ようやく視界が開けてきました。
水だ
砂漠の中のオアシスの如く、それを発見した私は嬉しさと喜びのあまり口を開けて幻ではないかと自分の目を疑い何度も何度も擦りました。
見つけたのは小さな滝。
心地良い水の落ちる音と共に、その飛沫で暑さが和らぎます。
凄い……
空を見上げれば満天の星空。
今まで見て来た中で最も美しい幻想のような世界。
テレビで何度かこれに似た星空を見た事がありますが、現実に見るのとでは感動が全くの別物です。
私の家からではまず見られない光景に息を飲みます。
空には二つの月が浮かんでおり、ここが元いた世界と異なる世界であるという事が明確になります。
やっぱり……妖精さんの国なんだ……
お父さんとお母さんにもう二度と会えないかもしれない。
酷く残酷な現実が目の前に迫り、空の感動と相まって自然と涙が溢れました。
ぷる
ゼリーさんが私の涙を拭ってくれます。
そうだよね
まだ頑張れるもん
諦めずにいればいつかきっと。