そもそも人はいるのでしょうか。
そもそも人はいるのでしょうか。
妖精の国だと思っていましたが、妖精さんらしき人物も見かけていません。
もしかして、ゼリーさんがそうなのかな?
ゼリーさんって妖精さん?
ぷる?
何? とでも言いたげに震えるゼリーさん。
言葉は理解できているみたいなのですが、突然そんな事を聞かれても普通首を傾げますよね。
当たり前の反応ですが、落胆してしまう私。
もう木の実を諦めようと顔を上げたその時です。
ぷる
ゼリーさんが何だか強く頷きました。
ん?
どうしたのかなと私が首を傾げていると、そのまま木に突進。
えっ?
体を木にくっつけて、上に登って行くではありませんか!
凄い!
すいすいと登って行くゼリーさん。
今までの私の苦労は何だったのでしょうか。
もしかすると、私の真似をしたのかな?
私が木の実を見ていたのに気付いたのかもしれません。
兎に角ゼリーさんには感謝の気持ちが絶えないです。
ゼリーさんがいなかったら私、目覚めた場所から動けていなかったかもしれない……。
ぷるーっ!
ゼリーさんが木の実を体に取り込みます。
下にそのまま落とさなかったのは割れるのを防ぐ為でしょうか。
それを考えたら木を蹴ってた私って馬鹿ですよね。
落下したら割れて食べられなくなっていたと思います。
そこまで考え尽きませんでした。
登ったら登ったで降りられなかったと思いますし、逆にどちらも成功しないで良かったと言うべきでしょうか。
ぷるっ!
ありがと!
ゼリーさんが降りてきました。
取り込んだ実は全部で三つ。
内一つを貰いその皮を剥いていきます。