それから暫く暇を持て余した俺達はだべりながら時間を潰す。
それから暫く暇を持て余した俺達はだべりながら時間を潰す。
そうする事数時間。衣服以外に携帯していた物の一切が無くなっているようで時間を確認する術がないので実際にどれくらいの時間が経過したのかは不明だ。
兎も角、やっとの事で牢屋の外から足音が聞こえて来た。
それに合わせて俺達は口を閉じる。
一体どんな人が来る? やっぱりここは鬼が来るのだろうか。
緊張した面持ちで待つ事数秒。その人物の姿が露わとなる。
…………多いな
その人物は恐らく男性だろう。黒いローブを羽織っており、銅色の仮面で顔を隠している為素顔が分からないが、声からして若い男性だと判断する。
召喚は一人だけだったはずだが。まあいいだろう
男は懐から鍵を取り出すとそれを使い鉄格子の扉を開いた。
あのっ
一人の女性が口を開く。
何かを言おうとしたのだろう。
しかし、それが叶う事は無かった。
喋るな
そう男が言った瞬間。
──!?
悍ましい悪寒と共に喪失感が俺を襲う。
一体何が。口を開こうとした所で気付く。
声が出ない。