えっ!?


 その行動に驚いたのも束の間。

 ゼリーさんが触ったところから痛みがどんどん引いていきます。

 不思議に思ってその様子を観察すれば、傷口が徐々に綺麗になって行くではありませんか。

 それだけではありません。

 傷口から手を離したかと思うと、今度は敗れた衣服に触れてそれも治して行くのです。

凄い!

ゼリーさん凄い!


 興奮して褒め称えます。

 実際凄過ぎます。

 ゼリーさんはお医者さんだったですか?

 お医者さん、というより魔法使いさん?

 ゼリーさんは魔法使いさんだったのです!!

 そしてゼリーさんは更なる形態へと変化していきました。


 第二形態!?


 体の一部がストローのような真っ直ぐな棒に変化します。

 ゼリーさんはそれを私に差し出して来ました。

 これは……吸えば……いいの?


 その先端に口をつけます。

 

ちゅっ、んっ……うぅ……んぅ……


 ゆっくり、ゆっくりと、優しくそれを吸って行きます。

 ゼリーさんのストローから冷たい液体が伝わってきました。

 それが口内を通り私の中へと入って行きます。

んぅっ……

美味しい……


 それはまさしく追い求めていたもの。

 水でした。

 水道水よりずっと美味い!

 ゼリーさんは胸を遥かのような動作をします。

 可愛い……。

 その頭をゆっくりと撫でると、嬉しそうにぷるぷるしました。

ありがと

ぷる


 よしっ。

 元気出ました。

 歩き疲れたと思っていましたが、その疲れもどうやら吹き飛んだみたいです。

だいじゅうわ「ひーる」

facebook twitter
pagetop