次の日の朝。

魔法士

はーい、始めるよぉ☆

竜戦士

おっしゃー、やるぜ!

召喚士

勇者様、頑張ってくださいね

聖騎士

気合でござるよ!

リストラ

あなた方は化け物ですか……

チャッピー

朝まで飲み明かし、1時間ほど仮眠したあと、叩き起こされた。

私は決して下戸ではないのだが、さすがに2日酔いである。

見ての通り、彼女たちはピンピンしている。

召喚士

勇者様の鍛錬の前に、各々のステータスをこの水晶玉で計測しますね

竜戦士

レベル:74
攻撃力:999
防御力:999
すばやさ:211
魔法力:33

聖騎士

レベル:66
攻撃力:508
防御力:525
すばやさ:999
魔法力:287

魔法士

レベル:99
攻撃力:257
防御力:375
すばやさ:801
魔法力:999

召喚士

レベル:74
攻撃力:333
防御力:357
すばやさ:328
魔法力:842

召喚士

ちなみに勇者様と、チャッピーさんは……

リストラ

レベル:2
攻撃力:21
防御力:22
すばやさ:14
魔法力:10

チャッピー

レベル:2
攻撃力:22
防御力:14
すばやさ:26
魔法力:5

召喚士

以上です

聖騎士

昨日あれだけ鍛錬したのに、何もしていないチャッピー殿と同レベルとは……

リストラ

はははは

乾いた笑いしか出ない。

聖騎士

笑い事ではござらんよっ!

聖騎士

1に鍛錬! 2に鍛錬! 3・4も鍛錬! 5も鍛錬! でござる!!!

竜戦士

ま、頑張るこったな

リストラ

はい!

そして、魔法士様が言う。

魔法士

ちゅうもーく☆

魔法士

ボクが昨日言ってた魔法のこと

魔法士

勇者様とチャッピーさんが合体しまぁす♪

リストラ

合体?
















竜戦士

……

聖騎士

……

召喚士

……

氷撃魔法が使われていないにも関わらず、場の空気がこれ以上ないほど冷え込む。

チャッピー

発情期は過ぎたんですけど……

チャッピー

でも、ご主人様がお望みなら~♪

さらに下がった……。

召喚士

うふふ……やはり「ピー(放送禁止用語)」しておくべきでしたね

聖騎士

肉片すら残さず、ぶった斬るとするでござるか

竜戦士

「産めよ増やせよ」だな

リストラ

えっとですね……

何が何だか分からない。

魔法士

ちーがーう!

魔法士

性的な意味でなくて、互いの肉体を分解・再構成して、パワーUPする魔法だよぉ☆

チャッピー

そうなんだー

リストラ

そうでないと困るよ、チャッピー

何やら残念そうなチャッピー。

私は胸を撫で下ろした。

召喚士

あらあら、私ったらとんでもない勘違いを……

聖騎士

せ、拙者は勘違いなどしてはござらんからな! ほ、本当でござるぞ!

竜戦士

魔法士のことだから、てっきり自分の欲望を投影したのかと思ったぜ!

魔法士様が音もなく竜戦士に詰め寄る。

魔法士

竜戦士さんよぉ、オレはてめーと合体してもいいんだぜ? もちろん、性的な意味で☆

竜戦士

死んでもお断りだよ、バカヤロー

閑話休題。

魔法士様が開発した魔法とは「ユニゾン」。

つまり、私とチャッピーが合体するということ。

具体的には……

リストラ

レベル:2
攻撃力:21
防御力:22
すばやさ:14
魔法力:10

チャッピー

レベル:2
攻撃力:22
防御力:14
すばやさ:26
魔法力:5

であるから、ステータスが合体することで、

レベル : 2× 2=  4
攻撃力 :21×22=462
防御力 :22×14=308
すばやさ:14×26=364
魔法力 :10× 5= 50

となる。

効果は絶大ではあるが、いくつか条件がある。

魔法士

コネクト!

まずは、魔法士様が「コネクト」と唱えたあと、

リストラ

ユニゾン!

チャッピー

ユニゾン!

そののち、私とチャッピーがお互いに見詰め合い、同時に「ユニゾン」と叫ぶことで魔法が発動する。

これは飼い主と飼い犬の信頼関係により、難なくクリアできた。


そして、他には……。

①同じレベルの者同士であること。

ゆえに、チャッピー以外のメンバーとはレベルがかけ離れすぎていて「ユニゾン」はできない。


②持続時間はレベルの二乗(秒)であること。

今の私とチャッピーはレベル2なので、最大4秒間だけ「ユニゾン」ができる。


③次の「ユニゾン」までのインターバルはレベルの二乗(分)であること。

今の私とチャッピーはレベル2なので、最低4分間は空けないと次の「ユニゾン」ができない。


④姿が変化するということ。

たとえば、こんな風に。


































ユニゾン勇者

もう少し何とかならないでしょうか?

リストラ

等身が下がった分、視点も下がって、思うように動けません

チャッピー

あたしは何だか昔に戻った感じで、ちょうどいいです

魔法士

贅沢言わなーい!

魔法士

ステータス値は劇的に上昇するんだから、あとはお互いにレベルUPして、慣れてー☆

確かに魔法士様の言う通りだ。

リストラ

とにかく、経験を重ねるしかありませんね

竜戦士

ま、魔王城に向かいながら、モンスターを倒していきゃ、それなりになるだろ

聖騎士

うむ、これなら行けそうでござるな

召喚士

では、さっそく召喚を……

竜戦士

だから、召喚はいいって!

色んな不安を抱えながらも、ついに旅立つこととなった……。

-次回を待てっ!-

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