突然喋り出した謎の声。
自らをゲームマスターと名乗るそれは、彼らに不安と恐怖の種を植え付ける。
ここに至るまでの理由と、経緯の説明をいきいきと語る。
デスゲームに参加させられると聞かされ、案の定、怒号が飛び交った。
怒鳴らなかったとしても、次第に焦りや怯えを見せる参加者とされた私達。
今、参加者の中では四つの流れがあると私は考える。
理屈的に不可能な全体の協調性を重視して、敵と味方を作ってしまう流れ。
一人で生き残る為に全てを敵に回し孤立する流れ。
ただ怯えるだけで、犠牲になるのは時間の問題な流れ。
如何に現実的に、この場から脱出できるかを考える流れ。
私は孤立をする流れだ。
私には脱出を必要ない。
然し生き残る態度は見せないといけないなら孤立する分、リスクは高まるがこれ以外にはない。
仮に、放っておいて誰かに殺されたとしてもそれならそれでもいい。
元々、私はゲーム内で死ぬ。それが望みだ。
だが、誰かの希望のために死ぬつもりも毛頭ない。
私の生命の行く末は私が決める。
私は私の望みの為に人を殺すと決めた。
この生命は私のものだ。
私が誰かの贄になることはない。
私の為に他人の生命を贄に私がしたとしても。
で、元からこの性格に協調性はない。
通院の関係で、ぼっちだった私が人と接するのはあくまで病院関係のみだったから交友関係は極めて狭く、しかも浅い。
……家族とだって仲の悪かった私だ。
命懸けのこの状況、誰と共闘するなどありえない。