グランチャリス大聖堂

サリア

納得できません!

ミカエル

なんで?

サリア

勇者達を監視するなど
神への冒涜にも等しい行為です

ミカエル

えー

サリア

泣いても駄目です

ミカエル

ちっ

サリア

舌打ち聞こえたんですけど…

ミカエル

え?聞き間違えだよー
口笛だよ
口笛~

サリア

帰ります

ミカエル

ちょ、ちょっと
待ってよ
サリーちゃん

サリア

大天使ミカエル様…

ミカエル

みっちーでいいよー
その名前長いしー
いつも言ってるじゃんww

サリア

ミ・カ・エ・ル・様

ミカエル

な、何事かね!?
私が誇りし聖堂騎士団、団長殿!!
あっ、か、壁に亀裂がっ!!!

サリア

はぁー

ミカエル

ってゆーか勘弁してよー
聖堂っていうかほぼ人類最強の
烈剣のサリアーナの剣気なんて発動されたら
いくらこの大聖堂でも壊れちゃうよ~

サリア

失礼な事を仰らないで下さい
私は剣気なんて発動していません
ただ少し怒っただけです

ミカエル

剣気無しで世界で一番硬い素材で作った壁を破壊しそうになるって…

ミカエル

ば、化け物だー

サリア

……

ミカエル

ごめんなさい
(か、壁がー)

サリア

よろしい

サリア

で、先ほどの件ですが

ミカエル

勇者ちゃん達の監視ね
うーん
サリー…
サリアちゃんは歴代の中でも
最速で団長に就任したから知らないとは
思うけどさ…

サリア

何がですか?

ミカエル

そもそもね
勇者ちゃん…
歴代も含めてずっと彼らは聖堂騎士団に
監視されているわけ

サリア

聖堂と勇者は互いに干渉はしない契りの筈です。私たち騎士団は罪人、または王都や町に侵入する魔人や魔獣の討伐。
勇者はダンジョンに潜む魔人や魔獣、そして魔王の討伐。
これらは遥か昔に定められた掟の筈です

ミカエル

表向きはね…
でもさ、やっぱり心配じゃん?
なんせ魔王は勇者ちゃんにしか
倒せないんだからさ。
どっかで強い魔人や魔獣に倒されたら
魔王が倒せなくて魔人や魔獣だらけになって
世界が危機に陥るし

サリア

理屈はまぁ…
分かりますが…

ミカエル

それに世界が危機になったら
僕の仕事も増えちゃうだろうしねー
それはごめん

サリア

今から増やしましょうか?
聖堂の修復とか…どうでしょうか

ミカエル

だから目がマジなんだって!!
怖いよー

サリア

…で、ようは彼らが死なないようにフォローしろって事でしょうか?

ミカエル

いっそパーティーに加わってもいいんだよwww

サリア

なら私が魔王を討伐します

ミカエル

ははははははは…
(出来そうだから怖い)

サリア

冗談はこのくらいにして
早速、出発しようと思います

ミカエル

あー
そうね
じゃ、よろしくお願い
騎士団は僕が見ておくよ

サリア

あ、その点に関しては心配いりませんよ

ミカエル

え?
なんでー

サリア

先ほど副団長が帰還したからです

ミカエル

あー彼ね
まぁ、彼がいるなら安心か…

サリア

えぇ、私が不在でも問題ないでしょう
なので早速転移の方をお願いします

ミカエル

あーはいはい
勇者ちゃんたちがいる座標は
もう合わせておいたから早速
転移魔方陣で跳んじゃって

サリア

了解しました
では、

ミカエル

しかし福団長…
彼、あんな場所からよく
この短期間で帰ってこれたなー

ミカエル

まぁ、いいか
さぁ、厄介払いもできたし
ゲームやろーwww

強さを得るほどに
世界の杜撰さに気づき少女は嘆いた
この世界を変えれるのだろうか?
そんな事ばかり少女は考えるようになっていた

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