魔王の城

サレナ

姫様

なんだ…

サレナ

お食事はいかがいたしましょうか?

食欲がない…
いらん

サレナ

またですか…
やはりどこかお体が…

問題ない

サレナ

姫様…

サレナ

やはり
ここ最近の言動は何かおかしい…

サレナ

一体なんだというのだ…

サレナ!

サレナ

は、
はい!

お前には…
大事なものはあるか?

サレナ

え?

大切な
守りたいものだ

サレナ

ないのか?

サレナ

そう、ですね…
考えた事もありませんでした
生まれた時から自身の事のみを
優先させる生き方をしてきましたから…

大切なものは自分だけ…
という事か

サレナ

そうですね
そう思っていただいて
構いません

そうか…

サレナ

なにか?

いや
実に魔人らしい
考え方だと思ったのでな

サレナ


まぁ、魔人ですから

そうだな
我らは魔人だ
それも、もっとも血が濃い

サレナ

私と姫様はある意味
特別ですからね

そうだ、な…
下らん話をしてしまった
すまない

サレナ

い、いえ
問題ありません

問題ない…か
そうだな。問題なんてなにもないんだ

サレナ

そうだ
問題ない
どうせ…道は決まっているのだから

サレナ!

サレナ

え?
はい!

最後の準備を始めよう

サレナ

姫様!?

随分
長い間
待たせてしまったな…
だが、そのお陰で魔力も貯まった…

サレナ

では…ついに

あぁ、皆にも伝えてくれ

サレナ

了解しました!

そうさ
私は私の道を進むだけだ
私のために…

魔人らしくいこうじゃないか…

サレナ

姫様がついに動き出す…

サレナ

楽しみね

黒服を身にまとった少女は笑った
自分が仕えし者の行動に震えていたのだ
これはなんという感情なのだろう
喜び?いや、なにかもっと別の…

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