はぁー

いかがなされました
姫様?

サレナか…
いや、なんでもない。

なんでもないという事はないでしょう
先ほどからため息ばかり…
心配です

なんでもない!
今日はもう寝る
下がれ!

…わかりました
では、なにかあれば
何なりと…

…わかった


はぁー
私はいったいどうすればいい?
なぁ、勇者よ

これは遥か昔…
人と魔人が同じ世界で生きていた頃の
ある世界の物語。

アーク

……

アーク!

はい!

天の声は聞こえましたか?

やぁ、リシャーナ
それが全然
神様、今日もお休みみたい

もー
また冗談ばかり
あなたの天恵は既に
充分、天の声を聞ける
レベルに到達している筈です

そんな事いってもさー
聞こえないものは仕方ないじゃん

そんな筈は…
まぁ、確かに貴方は歴代の勇者様たちと
比べて能力は貧弱ですが…

ほっとけ!

なーに
またいつもの痴話喧嘩?

うるさいわよ!
ルシファー!

そー
そー
俺ら仲良しだからな

二人とも
死にたいんですか?

ごめんなさい!

あー
ごめんよー

次はありませんよ!

そのセリフ毎回言ってるけどね

あーめん

え?

はー
スッキリしました

おー
ルシファーが消えた

きっとトイレでしょう

どこの国のね…

それはそうとアーク
そろそろ
この町を出発しますよ

えー
もうー?
昨日来たばっかじゃん

それはそうですが
あなたの旅はそんなゆっくり滞在できる
ものではありません
それはあなたも充分理解してる事でしょう?

あーはいはい
わかりましたよー

ところで
これから何処の町に行くわけ?

それを天の声で聞こうと思ったのに…
あなたが…

あ、そうだっけ


今更ですが何故あなたのような人間が
勇者に選ばれ、今までやってこれたのか
本当に疑問です…

ははははは
こっちが聞きたいよ


まぁ、それでも今回の魔王は
魔力が弱いうえに体も
病弱らしいのきっと
あなたでも倒せるでしょう

…あー
そうだね
そうなる事を休業中の神様に祈っておくよ

勇者とよばれる青年は空に向けて皮肉を発しながら
どこか儚げな表情をしていた。

第一章 その歩みは誰のために

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