見晴らしの良い草原で、鍛錬が始まった。

聖騎士

さて、勇者殿

リストラ

はい!

竜戦士

分かってるだろうけど、今のあんたじゃ、魔王の前じゃ瞬殺だよ!

リストラ

ええ……それは重々、承知です

魔法士

というわけで、レベルUPしてくださぁい☆

召喚士

魔王を倒すことが出来るのは、あなた様だけなのですからっ!

リストラ

はいっ!

チャッピー

ご主人様、頑張ってくださいー!

リストラ

チャッピー、ありがとう!

召喚士

では、まず下級モンスターを召喚して……

竜戦士

いや、召喚はいいって!

召喚士

えー、どうしてですか?

竜戦士

ほら、まずは戦闘の「いろは」をだな……

召喚士

むー……

聖騎士

うむ。拙者がお相手するでござる

聖騎士

勇者殿、剣を取ってくだされ

私は置いてあった剣を拾い上げる。

肉体が若返っているからか、思ったよりも軽い。

学生時代、剣道の全国大会で、強豪としのぎを削ったことを思い出す。

リストラ

もし、騎士殿にケガをさせてしまった場合、回復の方法はあるんでしょうか?

魔法士

肉片一欠けらさえあれば、再生可能よぉ☆

それを聞いて安心した。

……さすがに肉片にまでする気もないし、出来もしないわけだが。

リストラ

騎士殿、申し訳ありませんが、手加減は出来ませぬぞ!

聖騎士

望むところでござる!

リストラ

では、いざ尋常に……

聖騎士

勝負っ!

氷を切り裂くような緊迫感が2人を包む。

ここには私と騎士殿だけしかいないような錯覚。

同時にお互いが一歩を踏み出した――。




































竜戦士

あー、聖騎士さん?

チャッピー

ご主人様がお肉になっちゃったよ……ぐすん

チャッピー

でも、美味しそう! ジュルリ♪

魔法士

やーん、なんかビクビクしてるぅ☆

聖騎士

誰がこんな姿に!? 勇者殿ー!!!

召喚士

……あなたのせいですよ

竜戦士

つーか、急がねぇと獣娘にたいらげられちまうぞ?

魔法士

はーい、元に戻れぇ☆

リストラ

さあ、かかって来てください!

竜戦士

こいつ、ミンチになったことにも、蘇生されたことにも、全く気付いてねぇな……

私の修業はまだまだ続く……。

-次回を待てっ!-

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