無事、大気圏外から帰還したあと、異世界のこの国の王に謁見した。
正式に勇者の称号を拝命し、魔王を倒すための軍資金もいただいた。
今は装備を整えるために、城下町に向かうところである。
無事、大気圏外から帰還したあと、異世界のこの国の王に謁見した。
正式に勇者の称号を拝命し、魔王を倒すための軍資金もいただいた。
今は装備を整えるために、城下町に向かうところである。
いや~、まさかこの年になって勇者になる日が来るとは……今でも信じられません
私は、勇者様なら魔王を倒してくださると信じています
ええ! お任せくだされ!
勇者様ったら頼もしい~☆
いやはや、それほどでも
右と左、美しい女性に囲まれて、悪い気にはならない。
……まあ、一人は私と同じ年齢なわけだが。
あっはは~! 楽しそうでいいな!
今だけだけどな……
全くでござる
へ? 何か言いました?
後ろをついて来る女戦士と騎士殿が何かを言ったが、私にはよく聞き取れない。
いんや、別に
うむ
……
そう、その時の私は「勇者」という響きに、ただただ心を踊らせていたのだった。
元いた世界ではリストラに遭い、人間として不要の烙印を押された私。
そんな私にとって、ここが異世界であるとは言え、必要とされていることが嬉しかった。
――誰かの役に立てることが嬉しかった。
一通りの装備を整え、宿に戻るところだった。
この匂いは……
ご、ご主人様!?
? どなたですかな?
獣の耳をした可愛いらしい女の子。
すれ違い様に足を止め、声を掛けてきた。
もちろん、この世界にそんな知り合いはいない。
あたしですよ!
チャッピーです!!!
えっ!? チャッピー!?
犬の姿ではなく、人間の姿……?
しかし、私が若返っているのだから、チャッピーが人間化していても不思議ではない。
うむ、若返ったからか、思考までも柔軟になっているようである。
どなたです?
ええ、こいつはですね……
私が説明するより早く、チャッピーが話し出す。
毎日、ご主人様に「あんなトコ」や「こんなトコ」を撫でていただいたり……
逆にあたしがご主人様の「あんなトコ」や「こんなトコ」を舐めて差し上げたり……
ふか~い仲なんです……あたしたち♪
いや、間違ってはいないんだが、語弊があると言うか……ねえ?
思わず苦笑が漏れるが、女性陣の視線はとても冷ややかだ。
2人揃ってケダモノでござるな
よっ! 色男!
べ、別に羨ましくなんて無いんだからぁ☆
へー……
まさしく四面楚歌!!!
ご主人様、あたしも一緒に付いて行っても良いですか?
勿の論!
……って、皆様よろしいでしょうか?
私一人で旅をするわけではないことを思い出す。
「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)」だ!
イチャついた瞬間、切り伏せるでござるよ?
いいぜ! 女遊びも男の甲斐性ってな!
3人で……とかぁ、興味あるぅ?
はっ!
召喚士さんが何かを思い出した。
そういえば、勇者様と一緒に召喚してしまった畜生が1匹いましたね!
畜生って……
分かりました。仲間として迎えましょう!
わーい☆
良かったな、チャッピー!
……こんなことなら「ピー(放送禁止用語)」しておくべきでしたね……ぶつぶつ
かくして、さらに1名(1匹?)の仲間が加わり、パーティー編成は完成した。
-次回を待てっ!-